Appleは2011年に音声アシスタント「Siri」を導入してから、多くの改良を施してきた。同社は、SiriがUberの呼び出しや単語の辞書検索など、より多くのことをできるようにしてきた。また、Siriの音声がより人間らしく聞こえるよう改善した。だが依然として、同社はSiriが確実にコマンドを実行することを確認する必要がある。
世界中の請負業者が、ユーザーが起動するボタンを押すか「Hey Siri」(ヘイSiri)と話しかけた後にSiriが聞き取った録音音声のごく一部をランダムに聞いているという。Guardianが報じた。請負業者らはさらにSiriがどのように反応したかを評価し、ユーザーが話した内容を誤解している場合や間違って起動した場合を識別しているという。
録音音声には個人を特定できる情報は含まれておらず、セキュアな施設で分析されているとAppleはGuardianに対して述べ、「すべての検閲者にはAppleの厳格な機密保持の要件を遵守することが義務づけられている」とした。Appleに追加のコメントを求めたが、すぐには回答を得られなかった。
Siriを改良するためのAppleの試みは、同様に検閲者に録音の分析を依頼しているAmazonやGoogleとさほど変わらないようだ。両社も、それがシステムの改良に役立つ重要な方法だと述べている。
「こうした情報は、音声認識や自然言語を理解するシステムの訓練に役立つので、Alexaはユーザーの質問をもっとよく理解し、誰に対してもサービスをうまく提供できるようになる」とAmazonは4月に述べていた。
「これは音声技術の構築プロセスの重要な部分であり、『Googleアシスタント』などの製品を開発するのに必要だ」とGoogleは7月の初めに述べた。
FacebookやGoogleなどのIT企業によるユーザーデータの収集や流通の方法に対して厳しい調査の目が向けられる中、Appleは自社のサービスやデバイスでプライバシー保護を重視する姿勢を示している。だがGuardianの情報提供者によると、請負業者が聞いた録音音声には「医師と患者による個人的な話し合いやビジネスの取引、犯罪の取引のような会話、性的な会話など」が含まれていたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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