リビン・テクノロジーズは、ウェブテクノロジーと不動産をかけ合わせた事業を展開する不動産テック企業だ。設立は2004年、2019年で16期目を迎え、6月には東京証券取引所マザーズ上場も果たした。
主要サービスはウェブを使った不動産売却のサポート。1回の査定で最大6社に無料で不動産売却の査定依頼ができる一括査定がポイントで、現在提携不動産会社は2400社を数える。この市場で先行した地位を築きながらも「不動産売却にウェブサービスを利用している人はまだ1%程度。本格導入はこれから」と語る、リビン・テクノロジーズ 代表取締役社長の川合大無氏に、ウェブテクノロジーを加えることで、不動産業界にどんな変化をもたらすのか、これからどんなサービスが必要とされるのかなどについて聞いた。
すでに13年のキャリアがあります。不動産売却から、土地活用、賃貸管理、リノベーション、最近では不動産求人情報なども取り扱っています。メインは不動産の売却査定。不動産を売却する際、弊社のウェブサービス「リビンマッチ」にアクセスし、面積、住所、築年数、間取りといった物件情報を入力いただくと、この物件を取り扱いたいと希望する複数の不動産会社に査定依頼できることが特徴です。
ユーザーは所有する不動産をいくらくらいで売却できるかの価格比較が簡単にできる。一方、不動産会社は査定書をもってユーザーにアプローチができます。不動産を売却したいユーザーと購入したい不動産会社を結びつけています。
従来、不動産会社はチラシのポスティングによって、不動産を売却したいユーザーを探していましたが、これでは費用対効果がわからない。わたしたちのマッチングサービスは、一軒いくらで不動産会社に請求するため、費用対効果がわかりやすい。現在、年間でサイトへの来訪者は1600万人。物件ベースで9万件のマッチングを実現しています。
――査定する不動産会社は提携されていらっしゃるんですか。全国2400社の不動産会社と提携しています。提携先は営業スタッフによる開拓で1つ1つ積み上げていきました。最近では、認知も進み問い合わせも増えてきました。提携先の強化は、専任のスタッフ30人程度であたっています。事業所がない地域については、電話やメールでお話させていただくこともあります。
ここまでの関係を構築するのは時間もかかりますし、ここがリビンマッチの強みにもなっています。この提携不動産会社の数が、サービスの集客のベースにもなっていて、全国に提携先があることで、コンバージョンを生み出す仕組みが作れています。
――2400社はかなり多いですね。価格査定は競合サービスも多いですが、先行する強みになっていますね。提携先の数はもっと増やせると思っています。価格査定のマッチングサービスに加え、買取、土地活用、賃貸管理、リノベーションなど、不動産に関連するサービスもすでに立ち上げています。
加えて不動産、建設に特化した人材紹介もはじめました。私たちのメインビジネスは売却査定なので、売買仲介に特化しています。それ以外の業種にもビジネスを広げたいと思っていて、人材紹介なら幅広い業種にリーチできると考えました。業界自体人手不足は続いていますし、ニーズはありますが、企業と求職者のマッチングは意外と大変で、もう少し状況をみながら、整備していきたいと思っています。今後は、土地相続や不動産投資など、親和性の高いサービスも取り入れていきたいですね。
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