ジョニー・アイブ氏がAppleを去るニュースに関連して、第1回はiPhoneのデザインとその魅力について、第2回はMacとiPadのデザインについて振り返ってきた。
Appleで現在もっとも成長率が高い製品は、スマートウォッチであるApple Watch、そしてワイヤレスヘッドホンのAirPodsだ。この2つの製品は、ウェアラブルのカテゴリに属しており、Apple Watchは2015年発売、AirPodsは2016年発売と、もっとも新しく成立したカテゴリとなる。
他のApple製品と同じように、両方ともスマートウォッチ、ワイヤレスヘッドホンでトップのシェアを獲得しているが、この2つの製品には、スマートフォンやタブレットなどの製品とは異なる部分がある。それは、Appleが技術的優位性をキッチリと抑えている点だ。
スマートフォンやタブレットで、Appleは確かに収益と利益の面で大きなシェアを占めている。しかし似たようなデザインを採用した他社製品は、性能面でAppleに急速に追いつき、追い越されている部分がある。細かく見れば、プロセッサやバッテリー効率の面でAppleは優位性を保っているのだが。
しかしスマートウォッチやワイヤレスヘッドホンは、活用面、そして技術面で追いつかれない今日総裁を作り出すことに成功している。
Apple WatchはiPhoneとの深い連携によって、iPhoneでは成し遂げられなかったアクティビティトラッカーとしての役割を担いながら成長し、2019年には時計専用のApp Storeが用意され、iPhoneからやや独立する第二フェイズへと入った。バッテリー持続時間は依然として18時間(=1日)のままだが、デュアルコアで機械学習もこなせる処理性能と1日持つバッテリーライフ、そしてセルラー通信という機能性は、結局他社に追いつかれないままだ。
AirPodsのアドバンテージはより強力だった。Appleが用意したワイヤレスコントロールを行う独自チップW1によって、およそ2年の技術的なアドバンテージを確保していたのだ。
完全独立型のBluetoothヘッドホンはこれまで、左右どちらかがスマートフォンと通信し、もう片方のイヤホンにさらに音を送る、という通信を行っていた。2018年にQualcommがTrueWireless Stereo Plusという技術とチップを発表し、SnapDragon 845搭載のスマートフォンで、左右それぞれに音を送ることができる仕組みを実現した。
これと同じことを、iPhoneとAirPodsは2016年に実現していたのだ。
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