OYOはネットの会社でありながら、リアルにも力を入れていて、その1つがOYO LIFEの物件を紹介するリアル店舗「OYO Partner不動産」です。加えてオーナーはネットでは探せないため、直接対面でお話しています。ほぼ毎週セミナーも実施しています。営業担当者がオーナーにお電話したり、アポイントをとったりして直接お伺いすることで信用と信頼を獲得しています。
6月にはいちご、MDI、グローバル・リンク・マネジメント、住友商事、ディア・ライフ、デュアルタップ、ハウジング恒産、フュディアルコミュニティ、BRIグループ、プリズミック、レーサムの大手不動産11社と物件提供についての業務提携も結びました。その方たちと一緒に、稼働率アップや収入の安定性を高めていきたいと思っています。
OYO PASSPORTは、部屋のオーナーに安心を与える仕組みでもある思っていて、家事代行は定期的に室内に入るため、部屋のダメージを最小限に抑えられます。また、月額制のサービスを導入していただくことで、入居者の方と長くコミュニケーションが取れる仕組みも提供できます。賃貸ビジネスは一度契約してしまうと、そのままというケースが多いですが、OYO PASSPORTのサービスを利用していただくことで、接点を長く持てる。通常の不動産管理に加え、より資産を保全できる仕組みだと思っています。
――短期間で借りる人も多いと思いますが入居者との契約はどうなっていますか。短期間の賃貸借を基調として、入居者となる皆様のニーズにマッチした契約をご提案差し上げております。入居者の方には、入居審査とクレジットカードでの支払いをお願いすることで、安全かつ信頼できるご決済方法を採用しております。まだサービスを開始して間もないですが、契約トラブルはありません。
――今後の展開を教えてください。OYOはずっと完成しないサービスアパートメントだと思っています。今までの賃貸サイトでは、お客様がどの部屋を見たのかはわかりますが、契約に至ったかはわかりませんでした。私たちは、入居したかどうかまできちんと追える。さらに、どんな画像を載せればアクセスが上がり、入居率が上がるのか。どの程度の家賃であれば、納得されるのか。どんな設備を入れると人気が出るのかということがデータ上からわかります。
極端な話、ベッドがいらないお客様が多いようであれば、ベッドなしの部屋を増やしたほうがいいですし、どちらがいいかテストもできます。通常のサービスアパートメントでは、お客様が満足したかどうかはデータのとりようがありませんが、私たちは常にデータを取れる環境にあります。ここはOYOならではの強みだと思っています。
部屋は将来マーケットプレイスになると考えています。今、最もモノやサービスを購入する時間と場所は20~23時の自宅です。OYOが提供する部屋という商品の中で、モノを購入するエンゲージメントはものすごく高い。また、家賃の支払いはクレジットカードですから、家賃に上乗せする形で買い物の代金を支払えるのもメリットだと感じています。単に部屋を貸すだけで成り立つビジネスだけではなく、部屋を貸す、モノを売る、サービスを試すといった、新たな賃貸ビジネスモデルを生み出していきたいです。
森ビルJリートの投資開発部長として不動産売買とIR業務を統括するとともに、地方拠点Jリートの上場に参画。太陽光パネルメーカーCFO、三菱商事合弁の太陽光ファンド運用会社CEOを歴任。クロージング実績は不動産や太陽光等にて3500億円以上。2016年に不動産テックに関するシステム開発やコンサル事業等を行なうリマールエステートを起業。日本初の不動産テック業界マップを発表するとともに、不動産テックに関するセミナー等を開催するほか、不動産会社やIT企業に対してコンサルティングを実施。自社においても不動産売買支援クラウド「キマール」を展開。2018年、不動産テック協会の代表理事に就任。早稲田大学法学部を卒業後、政治学修士、経営学修士を取得。コロンビア大学院(CIPA)、ニューヨーク大学院(NYUW)にて客員研究員を歴任。
大手システムインテグレーターを経て、2008年より現職。経営学修士(専門職)。IT業界の経験に裏打ちされた視点と、経営の視点の両面から、ITやテクロノジーを軸とした中長期の成長戦略立案・事業戦略立案や新規ビジネス開発、アライアンス支援を得意とする。金融・通信・不動産・物流・エネルギー・ホテルなどの幅広い業界を守備範囲とし、近年は特に不動産テック等のTech系ビジネスやビッグデータ、AI、ロボットなど最新テクノロジー分野に関わるテーマを中心に手掛ける。2018年より一般社団法人不動産テック協会の顧問も務める。
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