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シャープ、「8K+5G、AIoTで世界を変える」事業方針を発表--BtoBの構成比引き上げへ

加納恵 (編集部)2019年06月11日 20時15分
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 シャープが「8K+5G、AIoTで世界を変える」ビジョンを発表した。6月11日、事業方針説明会を開催。シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏出席の下、鴻海から出資を受けた2016年以降の動きと、BtoB事業の構成比を50%以上に引き上げる、今後の戦略などについて話した。

シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏
シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏

 シャープは、2016年4月に鴻海との協業契約を締結。8月には戴氏が社長に就任し、2018年からは会長兼社長としてシャープを率いてきた。シャープ 常務執行役員の橋本仁宏氏は「『ホットクック』『ロボホン』さらには有機ELを搭載した『AQUOS zero』などを世に送り出したほか、抜本的構造改革、シェアの奪還、量から質へと事業改革を進めてきた」と、2016年以降の取り組みを話した。

 財務面では、2017年12月に東証一部に復帰。同日には1月に続き、A種種類株式の取得を発表し、消却予定であることを明らかにした。橋本氏は「完全に経営課題から取り下げられた」とし、経営再建にめどがついた形となった。

 シャープ 取締役副社長執行役員の石田佳久氏は、シャープの目指す姿と執行戦略を発表。「8KとAIoTで世界を変えると言ってきたが、今回あえてここに『5G』をつけた。5Gは、北米や韓国に比べ、日本は少し遅れているが、いよいよ本腰を入れる環境が整ってきた。ここで、先陣を切って取り組んでいきたい」と5G時代を見据えた立ち位置を示した。

 7月1日には、事業推進体制を「Smart Business」「8K Ecosystem」「ICT」の3つに再編。相互に連携することで、「8K+5G Ecosystem」と「AIoT World」の早期実現を目指す。

 事業領域は、インダストリー、セキュリティ、スマートオフィス、エンターテインメント、ヘルス、オートモーティブ、エデュケーション、スマートホームの8つ。「これだけではないが、ここに重点を起きながら8K+5G EcosystemとAIoT Worldを目指したい」(石田氏)とした。

事業変革の方向性
事業変革の方向性

 シャープが見据える事業変革の方向性は「テクノロジーアップ」「クオリティアップ」「バリューアップ」の3つ。これにより経営品質を高めていく。「すでにハードはご評価をいただいているが、これはシャープだけでなく鴻海と一緒になったことで実現したこと。鴻海が持つ技術を取り込みながら、今後もさらにハードを強くしていきたい。鴻海との共同開発はすでに商品として出荷されている」と協業関係の現状を紹介した。

 石田氏は「ホットクックは撹拌できる機能が特徴だが、この部分を共同開発している。また、掃除機『RACTIVE Air』は、パイプ部にカーボンファイバーを採用することで、軽量化を実現。この技術も共同開発した」と説明。特許も両社が持ち寄ることで、700ファミリー程度に達するとのこと。「技術基盤を一気に拡大して新領域の商品を作っていく」と今後の方針を示した。

 このほか、共同調達によるコスト削減や、鴻海の工場を使っての生産、台湾における販売ルートの開拓など、鴻海とのシナジー効果が出ているとのこと。「シャープ独自ではできないが、鴻海の協力を得ることでビジネスを拡大している」(石田氏)と言う。

鴻海グループとのシナジー
鴻海グループとのシナジー

「COCORO HOME」にはGAFAがアクセスできないデータがたまる

 AIoT Worldについては、「今まで家電を中心に展開していたが先日、それぞれの『COCORO+』を統合し、他社サービスとも連携するスマートホームサービス『COCORO HOME』を発表した。GAFAは多くの個人データを保有していると言われるが、COCORO HOMEには、GAFAらがアクセスできないデータが溜まっている。例えば電子レンジをいつ使って、どのボタンを押しているかといったデータが蓄積でき、さらに、他社の機器と連携させることで、電子錠やドアホンなど、シャープが持っていないデータも取得できる。これを同じプラットフォームでつなぎ、提供していこうと考えている」と、プラットフォーム化を強調。同じプラットフォームを使ってオフィスサービスも展開できるという。

 こうした戦略から、シャープではBtoB事業の比率を現在の35%から50%以上にまで引き上げる方針。戴氏は「BtoCとBtoBの両面で展開する。50%は通過点。既存のBtoC事業を強化するとともに、BtoB事業の新規拡大を図る」とコメントした。

シャープが攻める事業とチャンス
シャープが攻める事業とチャンス

 事業変革を実現する組織体制として、取締役候補6人を発表。事業グループにおいては、戴氏が8Kエコシステム、代表取締役 副社長執行役員の野村勝明氏がスマートビジネス、石田氏がICTを共同CEOとして担当する。

 戴氏は、2019年度までとしていた会長職を2021年度まで伸ばす意向を示している。後任については「後継者を探していたが、なかなか見つからなかった。シャープの事業は、半導体、スマートフォン、テレビなど広範に渡っており、私と同様の経験を持つ人はあまりいない。でもギブアップせず、社内外でいい人材を探したい」とコメントした。

 また、社長就任から今までを振り返って自己採点してほしいという質問が飛ぶと「自分での採点は難しい。(ほかの人に)採点してもらいたい。2020年からの中期経営計画も全力で頑張っていきたい」と自身での評価を避けた。

左から、シャープ 取締役副社長執行役員の石田佳久氏、代表取締役会長兼社長の戴正呉氏、代表取締役 副社長執行役員の野村勝明氏、常務執行役員の橋本仁宏氏
左から、シャープ 取締役副社長執行役員の石田佳久氏、代表取締役会長兼社長の戴正呉氏、代表取締役 副社長執行役員の野村勝明氏、常務執行役員の橋本仁宏氏

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