シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏は6月5日、社内イントラネットを通じて、社員向けメッセージを発信した。「次期中期経営計画に向けて、飛躍的成長を実現する確かな布石を打とう」と題した今回のメッセージは、元号が「令和」に変わってからは初めてのものであり、最終年度を迎えている現在の中期経営計画の「次」を視野に入れた内容となった。
冒頭、戴会長兼社長は、5月9日に発表した2018年度の2019年3月期通期の決算について報告。「年間の当期純利益は前年度を上回り、利益率は、過去最高の当期純利益を記録した2007年度を超える水準となった。これは『量から質へ』の転換がしっかりと成果につながっている証拠である」とした。
一方、「下期の業績に目を向けると、米中貿易摩擦をはじめとした予期せぬ環境変化の影響もあり、売上高、利益ともに前年度を下回る厳しい結果となった。また、今後もこうした厳しい状況が継続することが見込まれるため、中期経営計画の最終年度の目標値を下方修正した。残念ながら、中期経営計画の業績目標の達成は断念することになったが、業績目標とともに掲げた『事業』、『戦う市場』、『オペレーション』の3つのトランスフォーメーションについては、決してぶれることなく、引き続き全力をあげて取り組む」とし、「この1年間、それぞれの事業本部が、着実に成果につなげていくことによって、次期中期経営計画では、飛躍的な成長を実現するための具体的なシナリオを描くことが可能になる」と期待した。
また、7月1日から事業推進体制を「Smart Business」、「8K Ecosystem」、「ICT」の3つの事業グループに再編することを公表。「この3つの事業グループが相互に連携することで、シャープが目指す事業ビジョンである『8K+5G Ecosystem』と、『AIoT World』を早期に実現していきたい」と述べた。
最初のテーマにあげたのが、「事業ビジョンの実現に向けた取り組み」である。事業ビジョンの実現に向けては、「シャープと鴻海グループの連携を活かして競争力の高い機器やデバイスを創出」、「ハードウェアやソフトウェア、クラウドサービスを融合したシステムを構築」、「さまざまなシステムやサービスが連携し合うプラットフォームを通じて新たなソリューションを実現する」という3つのステップを踏んで事業を変革していくことを示した。
「これは、言い換えれば、コアとなる技術力を高め、卓越した品質を持つモノや、サービス/ソリューションを創出して、顧客に提供する価値を最大化していくことが重要である。このような取り組みを通じてこそ、事業の質を向上させることが可能になる」とし、具体的な事例を紹介した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス