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ビジネス変革への鍵は「顧客体験の管理」--Adobe Summitの新ソリューションと協業

別井貴志 (編集部)2019年03月27日 22時01分
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 Adobeが年次で開催しているマーケティングカンファレンス「Adobe Summit 2019」が米国時間3月26日、米国ネバダ州ラスベガスにおいて開幕した。初日の基調講演では、デジタル変革はすべてのビジネスにおいてさらに重要事項となり、そのために「Adobe Experience Platform」のグローバルでの提供開始、「Adobe Commerce Cloud」、「Marketo Engage」の発表を含むマーケティングプラットフォーム「Adobe Experience Cloud」における新しいイノベーションを発表した。また、同時にこの重要事項をさらに推進するためには「企業の顧客体験管理(CXM: Customer Experience Management)」が鍵を握ると何度も強調し、そのためにServiceNow、マイクロソフト、LinkedInとの新たな戦略的パートナーシップも発表された。

 Adobeの会長、社長兼CEO(最高経営責任者)であるシャンタヌ・ナラヤン(Shantanu Narayen)氏は「Adobe Experience Cloudを使ってパーソナライズされた顧客体験をを作り上げていきます。ビジネスを変えていくことが信念です。人が製品を買うのではなく、経験を買うのだということをしっかり自覚することです。今のビジネスは、すばらしい体験を提供しようと、激しく競合しています。すべての顧客のすべてのカスタマージャーニーのポイントで、すばらしい体験を提供するというのは簡単に聞こえるかもしれませんが、実際に提供するのは難しいことです。われわれは顧客体験管理を実現するためにアートとサイエンスに挑戦するさまざまな新しいイノベーションを発表します」と語った。

 Adobeの会長、社長兼CEO(最高経営責任者)であるシャンタヌ・ナラヤン(Shantanu
Narayen)氏
Adobeの会長、社長兼CEO(最高経営責任者)であるシャンタヌ・ナラヤン(Shantanu Narayen)氏
顧客体験管理が鍵を握る
顧客体験管理が鍵を握る

 Adobe Experience Platformは、Adobe Experience Cloudの基盤で、企業内のデータをつなぎ、Adobe Senseiの人工知能(AI)とマシンラーニングを活用することによってリアルタイムでの顧客プロファイルを構築可能にし、このプロファイルを基にコンテンツを活用することで、関連性の高い体験をリアルタイムで提供できるようになる。Adobe Experience Platformのグローバルエコシステムには、すでに約1万3千社のエージェンシー、ソリューションおよびテクノロジパートナー、30万人以上の開発者が含まれているという。

 また、Adobe Experience CloudにはB2Bマーケティング自動化ソリューションであるMarketo Engageが追加され、マーケターはコンテンツ管理システム(CMS)とデジタルアセット管理(DAM)をひとつにまとめたソリューション「Adobe Experience Manager」またはクリエイティブのソリューション群「Adobe Creative Cloud」からコンテンツをシームレスに取得、編集し、ターゲットリストを自動的に構築することで、企業向けの営業活動において次に取るべきアクションを把握しやすくなる。これにより、Adobe Experience Manageraは、クロスチャネルでのカスタマージャーニーを統括する基盤として、コンテンツの最適化、コミュニケーションの活性化、顧客体験のパーソナライズがより一層進化することになった。

Marketoの「Marketo Engage」はAdobe Marketing Cloudに加わった
Marketoの「Marketo Engage」はAdobe Marketing Cloudに加わった

 マーケティングの分析・測定ソリューションである「Adobe Analytics Cloud」は、CXMのインテリジェンスとアクティベーションを担う中枢システムとして、自動オーディエンスセグメンテーションやクロスチャネルでの消費者行動をより正確かつタイムリーなインサイトとして取得できる機能が追加された。

 さらに、新たにAdobe Experience Platformと、顧客の状況を正確に把握するためのソリューション「Adobe Audience Manager」を連携させることで、既知の顧客および匿名の顧客という異なる2つのデータが結合できるリアルタイムの「カスタマーデータプラットフォーム(CDP)」を提供し、カスタマージャーニー全体として複数のチャネルにわたるリアルタイムの顧客プロファイルを利用できるようにする。

 そして、Adobe Experience PlatformとAdobe Analyticsの組み合わせでは、オンライン、オフライン両方のデータから得たインサイトをリアルタイムに活用できる。加えてAdobe Analyticsに含まれる新しいJourney IQを使い、広告配信・管理ソリューションの「Adobe Advertising Cloud」と連携することで、さまざまなデータと広告在庫ソリューションを統合し、各媒体のサイロ化を解消し、広告全体のコストを一段と圧縮できる可能性もあるという。

Adobe Experience Platformは、Adobe Experience Cloudnoの基盤。そのうえに各ソリューションがある
Adobe Experience Platformは、Adobe Experience Cloudnoの基盤。そのうえに各ソリューションがある

 こうした一方で、新たなパートナー戦略もいくつか発表された。まず、クラウドベースの企業向けデジタルワークフロー構築ソリューションを手がける「ServiceNow」とのパートナーシップだ。Adobe Experience Platform(リアルタイムの顧客プロファイル)とServiceNow Platform(顧客サポートデータ)を連携させることで、企業は顧客獲得からサービス提供まで、オンラインにおけるカスタマージャーニー全体で包括的に顧客を把握できるようになるという。また、Adobe Experience Cloudとカスタマーサービスマネジメント(CSM)を含むServiceNow Platformを連携させると、両方を導入している企業は、デジタルワークフローやサービスカタログ、インテリジェンスまコンテンツ、ナレッジマネジメント機能を相互に活用できる。

クラウドベースの企業向けデジタルワークフロー構築ソリューションを手がける「ServiceNow」とパートナーシップ
クラウドベースの企業向けデジタルワークフロー構築ソリューションを手がける「ServiceNow」とパートナーシップ

 さらに、マイクロソフト、LinkedInとのパートナーシップによって、企業のターゲットとして最適なアカウントを特定して関係を構築できる「アカウントベースドエクスペリエンス(ABX: Account Based Experiences)」を提供する。マーケティングやセールスチームは、Marketo Engageと「Microsoft Dynamics 365 for Sales」からのデータを利用し、各個人の役割、影響力、嗜好といったインサイトを含め、ターゲットアカウントをより深くリアルタイムに把握できるようになる。また、LinkedInの「Matched Audiences」をMarketo Engageに組み込むことで両者のアカウントベースのターゲティング機能が連携し、LinkedInにあるアカウントから適切なコンタクト先を特定できるようになる。

Microsoftとの関係強化でLinkedInのデータとも連係
Microsoftとの関係強化でLinkedInのデータとも連係

 そして、最後にシャンタヌ・ナラヤン氏は「顧客体験に注力することでビジネスを変革させるのが、すべての企業の課題です。私たちは顧客体験を「気づき」から「試用」、「購入」、「利用」、「継続・再利用」まで続けていかなければなりません。テクノロジーはわれわれが提供します。そしてAdobeExperience Cloud、Adobe Experience Platformを使って顧客体験管理戦略の秘書を提供していきます。適切なテクノロジーを提供するだけではなく、みなさんのトランスフォーメーションのパートナーになりたいと考えています」と締めくくった。

どの段階でも、どのチャネルでも顧客体験を続けなければならない
どの段階でも、どのチャネルでも顧客体験を続けなければならない

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