ここで、実際にファミリーリンクを利用している保護者とビデオ会議方式で話を聞いた。幸田美奈加さんは、11歳の娘を持つ母親だ。娘は毎日スマホを使っているが、利用時間はその日の予定に合わせて設定し、LINEを含めたアプリをどれぐらい使っているかなどを管理しているそうだ。
幸田さんは、自身がインターネットに大きな魅力を感じているため、娘にも積極的に活用できるようになってほしいとの思いから、娘にスマホを持たせることにしたという。そこで不安だったのは「上手く管理できるのか」という点だった。「ちょうどファミリーリンクのモニターをすることができたので、軌道に乗ったらいいなと考えていたら、うまく運用できている」と幸田さんは話した。
娘さんも特に抵抗なくファミリーリンクの導入を受け止めていると、幸田さんは話す。「うっとうしがられるかと思ったら、安心して使うことができると喜んでいる。時間の管理に関しても、ついスマホを使いすぎて無駄な時間を過ごしてしまうことがないからよかったと言っている」(幸田さん)。
幸田さんと娘さんは、これまで何回かスマホについて話し合う機会があったそうだ。「友人が使っているから見てみたい、とTikTokのインストールをお願いされた。しかし、リスクなどを話してインストールはさせず、親のスマホかPCで、親と一緒に見るように促した。また、YouTubeに関してもリスクが高いと考えているので、同様にしている」と幸田さんは家庭の方針を話してくれた。
11歳の娘さんは、YouTube Kidsのアプリ利用になるため、好きな動画が見られるとは限らない。しかし、「親の知らないところでYouTubeに動画を投稿しているお子さんが知り合いにいた。子どもは大人の想像以上に使いこなすことができるので、まだ目の届く範囲で使わせる」と幸田さんは話す。
また、娘さんが友人から様々なアプリを入れるように言われることもあるそうだが、ファミリーリンクが入っているからと言えば、断ることができるという。ファミリーリンクを消すように言われることもあるというが、ファミリーリンクを消す、もしくはGoogleアカウントごと削除しようとしても親の承認が必要なので、友人関係を壊したくない子どもでも断りやすくなるそうだ。
子どもにスマホを持たせるとき、スマホが持てる喜びで子どもは親の言うとおりに約束を受け入れがちだ。しかし、実際に使い始めるとどうしても使いすぎてしまったり、親に反発したりといったことが起こる。ファミリーリンクは、親がインストールを許可したアプリをあとから利用停止することもできる。使いすぎていると感じたら、「このアプリは少しお休みしよう」と親子で話し合って一定期間使わせないなど、柔軟な運用が可能だ。
また、ファミリーリンクをシニアの見守りに利用している事例も紹介された。「今どこにいるのか」「普段通りスマホを使っているか」といったことをファミリーリンクで確認するというものだ。離れた場所に住むシニアの無事をさりげなく確認したい人にもおすすめだ。
この春から子どものスマホデビューを考えている保護者の方も少なくないだろう。スマホの管理ツールというと、子どもの行動を厳しく監視するといった印象を持つ人もいるかもしれないが、年齢に合わせてスマホやインターネットの使い方を学んでいくために、ファミリーリンクを使う手は十分にあると感じた。
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