今は存在しないスタートアップのOnLiveが運営するサービスを通して、筆者がストリーミングゲームを初めてプレイしたのは10年ほど前のことだ。OnLiveは当時、PCや「Mac」、小型のセットトップボックスとコントローラを通してヒットゲーム(SFシューティングゲームの「Borderlands」など)をプレイできるサービスを提供していた。
Netflixと同じように、ログインして、ゲームを選択するだけで、すぐにプレイを開始できた。映像が乱れることもあったが、当時は映画のストリーミングでも同じような問題が発生していた。だが、ストリーミングゲームは正常に機能し、それは未来のサービスのように感じられた。
それ以来ずっと、筆者はその未来が現実になるのを待っていた。
OnLiveは2015年にサービスを終了したが、ほかのサービスも登場した。ソニーは人気ゲーム機のPlayStation 4を補完するものとして、2014年にストリーミングゲームサービス「PlayStation Now」を開始した。一方、MicrosoftとElectronic Arts(EA)も競合サービスを開発中だとしているが、具体的な発表日は明かしていない。テレビとインターネットのプロバイダーであるComcastもゲームストリーミング分野に手を出しており、最近も韓国のゲーム会社Nexonの買収を検討中とのうわさが流れた。
これらすべての企業は、Netflixが約10年前に映画の視聴方法を一変させたように、ストリーミングのアプローチがやがてビデオゲームの遊び方も一変させると確信している。問題は、それがいつになるかだ。
Ubisoftの最高経営責任者(CEO)で、6年間にわたってGoogleと共同でストリーミングゲーム技術に取り組んできたYves Guillemot氏は、次のように語っている。「素晴らしいのは、この業界では、モバイルでもPCでもプレイできるということだ。そして、同じゲームを同じようにプレイできるようになり始めている。ストリーミングゲームは、われわれが創作する世界を体験できる新たな可能性であり、モバイルを最大限に活用する機会をクリエイターに与える」
Googleは、プレーヤーやストリーマー、プログラマーなど、ゲーム業界のさまざまな人々を結びつけるひとつの方法として、STADIAを売り出そうとしている。同社は例えば、YouTubeのリンクをクリックしてプレイできるようにするなど、ゲームをプレイするさまざまな方法を開発したという。
さらに、GoogleはEpic GamesやUnityなどのゲーム開発企業とも提携している。その結果として、Googleの高性能サーバは最大60fpsの4K超高精細映像でゲームをストリーミングすることになる。つまり、アニメーションは滑らかに動くはずだ。
Googleによると、STADIAはすでにMicrosoftの「Xbox One X」とソニーの「PlayStation 4 Pro」を組み合わせたものを上回る性能のゲームを提供できるという。さらに、ゲーム開発者がより複雑なゲームを開発していけば、Googleはやがてその性能を2倍に高められると考えている。
ただし、Googleはほかのゲームメーカーだけに頼ることはしないだろう。同社によると、Microsoftやソニー、任天堂がしてきたように、GoogleもSTADIA Games and Entertainmentと呼ばれるスタジオを通して、STADIA専用のゲームを開発していく予定だという。
Googleのゲーム制作の責任者で業界のベテランでもあるJade Raymond氏は、「ゲームの世界で、まもなく巨大な革命が起きようとしている」と語った。
一方、Microsoftは声明の中で、今は「ゲーマーにとって素晴らしいタイミング」と述べ、予定されている同社のゲームストリーミングサービス「Project xCloud」サービスを通して、ユーザーに選択の機会を与えることに同社も献身的に取り組んでいると語った。ソニーと任天堂にもコメントを求めたが、回答は得られなかった。
その一方で、GoogleはSTADIAとYouTubeを緊密に連携させて、ユーザーが一緒に競い合ったり、プレイしたりする新しい方法を提供する予定だと述べている。それは、Matthew Patrickさん(MatPatとして知られる、YouTubeでゲーム実況解説をしている人気クリエイター)にとって、特に楽しみなことだという。
「STADIAは、私たちが今までに見たことのない方法でテクノロジとエンターテインメントを結びつけるものだ」(Patrickさん)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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