レジデンストーキョーは、敷金、礼金、仲介手数料ゼロで、家具家電付きのサブスクリプション型住宅第1弾となる物件を公開した。従来の賃貸住宅における不便な仕組みをなくし、顧客の満足度を高める。
第1弾物件は、東京都渋谷区にある「笹塚テラス」内にオープン。京王不動産が所有する地下2階、地上10階建のビルで、1971年に竣工した京王笹塚ビルをリニューアルしたもの。京王線笹塚駅から徒歩1分の立地に位置する。住居のほか、宿泊施設、学習塾、フィットネス、コンビニエンスストアなどを併設し、うち住居の一部をレジデンストーキョーがサブスクリプション型として貸し出す。
25.2平方メートルの1Kと51.9平方メートルの2LDKの2タイプの部屋を用意し、全室家具家電付き。家具・インテリア・家電のサブスクリプションサービス「CLAS(クラス)」を運営するクラスとの業務提携により、家具、家電はCLASがサブスクリプション型で提供している。
1Kタイプは1日4600円~、2LDKタイプは1日7900円~の貸し出しを予定しており、月額の賃料は10万円台から20万円台半ば。一般の賃貸物件では必要になる敷金、礼金は不要で、レジデンストーキョーが集客をするため、仲介手数料もいらない。
最短30日間~利用ができ、電気、ガス、水道、ネット環境など生活インフラはレジデンストーキョー側が契約した上で引き渡すため、契約手続きも不要。引っ越し直後から暮らせる環境を整える。レジデンストーキョー 代表取締役CEOの野坂幸司氏は「スーツケース1つで入居できる」とメリットを話す。
レジデンストーキョーは2015年の創業以来、従来型のマンスリーマンションの機能に、マルチリンガル対応やバーチャルコンシェルジュなどの機能を追加したサービスアパートメントを提供。海外からの中長期滞在者向けに家具付き賃貸住宅を都内に約600室を用意し、外国人における住居問題の解決に取り組んできた。
今回のサブスクリプション型住宅の提供も、外国人の宿泊施設の受け皿になることを目的として参入。賃料の支払いがクレジットカードでできるなど、賃貸住宅契約時のハードルを下げたこともポイントだ。
野坂氏は「住み替えは、高額の初期費用が必要になるなどハードルが高い。フリーランスやマルチタスクでのワークスタイルが広まる中、従来の賃貸物件は不便な仕組みになっているのではないか。この部分をゼロから見つめ直し、本当に必要な運営をすることで、新たな不動産マーケットを生み出したい」と、新たな賃貸物件のあり方を示す。
海外からの中長期滞在者のほか、日本人の利用も想定しており、「平均滞在期間は3カ月から1年程度と見ている。外国人、日本人の利用者割合は半々程度を見込んでおり、これはすでに運営しているマンスリーマンションと同様の傾向」(野坂氏)と分析する。
今後は、サブスクリプション型住宅の第2弾として、5階建全14戸の物件を6月末に竣工する予定。年間300~400室程度をサブスクリプション住宅にしていきたいとした。
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