ドローンは現在、建物の空撮やガスパイプラインの調査などに役立っている。間もなくホームセキュリティや荷物の配送にも活躍するようになるだろう。5年後には、渋滞する道路の上空を飛ぶドローンが通勤手段になっているかもしれない。
そうした未来を構想しているのが、Intelでドローングループを統括するゼネラルマネージャーのAnil Nanduri氏だ。ドローンの技術革新が進む一方、お金を払ってでも渋滞を脱したいと願う人々がいることを考えると、空飛ぶ自動車は今後数年で、夢物語から現実に変わるだろう。
同じように考える企業は何社かあり、その代表格と言えるEhangとUberは、2023年までに空飛ぶタクシーを展開しようとしている。だが、安全上、技術上、社会的な課題は多い。Elon Musk氏は、Tesla、SpaceX、The Boring Companyの3社で最高経営責任者(CEO)を務め、人類の技術が及ぶ限界を見極めることに長けているが、そのMusk氏でさえ、自動車は地下トンネルを走らせる方がいいと考えているほどだ。
Nanduri氏の仕事は、もっと現存の技術に近い。同氏が挑んでいるのは、橋梁の亀裂を調べたり、デジタル花火とも言える見せ物で無数のドローンの編隊を自動的に操ったりすることだ。後者は宣伝活動の一環で、最近では2019年の第53回スーパーボウルでも披露している。だが、秒速最大8mで飛ぶ2000台のドローンを華麗に連携させるというのは、今後ますます複雑になる空の世界を目指した最終リハーサルと見ることもできる。
自動運転の技術などが集うカンファレンス「All About Autonomy 2019」で、Nanduri氏は米CNETのStephen Shankland記者による独占インタビューに応じてくれた。以下に、そのときの様子をまとめた。
--5年後の未来についてお聞かせください。空飛ぶ自動車は実現していると思いますか。
5年後、空飛ぶ自動車は確実に運行されているでしょう。大々的にということはないでしょうが、空を飛び始めているのは間違いありません。自律走行する航空交通システムで最も素晴らしいのは、空中の空間によって、地上交通が抱えている3次元の課題が解決されるということです。
--10年後はどうでしょう。もっと普及しているでしょうか。
10年後には、空飛ぶタクシーも登場するでしょう。それを実現させるのが、われわれの仕事です。
企業家が収益性を計算し、そのコストモデルがエコシステムのレベルで通用するかどうかを検討してくれるでしょう。うまくいくコストモデルが明らかになれば、実現は確かなものになります。なにしろ、われわれは幅広い問題を抱えています。交通渋滞はひどくなる一方で、人々は手っ取り早く満たされることを求めています。あらゆるものが配達されることを望んでいるのです。
では、そういうことを全て解決して、しかも規制やコンプライアンスも順守するにはどうすればいいのか。うまくいく方法が1つでも見つかったら、それがあっという間に広まるでしょう。
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