自律技術の進歩のおかげで、自動車が空を飛ぶという遠大な未来が近づいている。それは、私たちが100年ほど前から夢見てきたことだ。
電気推進技術の進歩により、その熱気は高まる一方である。バッテリが電力密度の向上とコストの低下に向かって成熟するにつれて、空飛ぶ自動車は、より高価で複雑な燃料式プロペラとタービンに対する代替技術としてさらに有力視されるだろう。
本記事では、最も注目に値し、最も期待できると考えられる6つの「空飛ぶ自動車」を紹介する。これらは、私たちが知るところの個人向け輸送業界を変えようとしている。
OpenerによるBlackflyは最も期待できる垂直離着陸(VTOL)式航空機の1つで、シリコンバレーのスタートアップの情熱から生まれた。Teslaを思い出す人もいるのではないだろうか。
仕様が予定どおりになるとすれば、Openerのこの8ローターのBlackfly VTOL機は、Birdの電動スクーター以降、パーソナルモビリティ市場最大のディスラプター(創造的破壊者)になるかもしれない。その主な理由は価格だ。
Blackflyの設計者であるMarcus Leng氏は先頃、CBS Newsに対し、Blackflyの価格はSUVと同程度になると語っている。ただし、一般的なSUV「Chevrolet Tahoe」などとは異なり、Blackflyには座席が1つしかない。航続距離も25マイル(約40.23km)と短い。しかし、同社が目指しているのは、ほとんどの人が購入できる価格を実現することなので、今後数年以内に上空を飛行するBlackflyの機体が視界に入ったとしても、筆者は驚かない。ただし、米連邦航空局(FAA)が今の対応の遅さを改めればの話だが。
Openerのウェブサイトを見ると、同社は自動車メーカーや大企業の支援を受けていないようだ。Googleの共同創業者のLarry Page氏がOpenerを支援しており、Page氏は空飛ぶ自動車を手がけるスタートアップKitty Hawkの創業者でもある。
Googleの元ナレッジ担当シニアバイスプレジデントで、最高高度のフリーフォールジャンプ(13万5889フィート、約4万1419m)の世界記録保持者でもあるAlan Eustace氏もOpenerの技術顧問に名を連ねている。
航空宇宙企業のRolls-Royceが再び自動車分野に手を出している。ただし、自動車と言っても空飛ぶ自動車だ。同社が開発中のEVTOL(電動垂直離着陸)式航空機には興奮を覚えずにいられない。
同社のEVTOLは標準的なSUVのように最大5人の乗客を運ぶことができる。しかし、その価格はおそらく通常のクロスオーバー車よりはるかに高くなるはずだ。次の10年の早い段階で離陸が見込まれるこのEVTOL式航空機は、タービンから電力を得るが、その仕組みは想像とは異なる。このタービンはプロペラを動かすのではなく、6つの電動プロペラに電力を供給する発電機として機能する。この構成により、航続距離500マイル(約804.7km)を実現している。OpenerのBlackflyの20倍だ。Rolls-Royceによると、最高速度は時速250マイル(約402.3km)を上回る可能性もあるという。
このEVTOLは、日々の通勤手段を置き換えるものではなく、民間航空機での移動を拡張するもののように思えるが、たとえそうだとしても、このような製品の提供は、高速鉄道のインフラの悪夢を過去のものにする可能性がある。
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