HPEと米ガールスカウトがサイバーセキュリティ教育用のゲーム提供へ

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2019年01月25日 16時09分

 ネットいじめからフィッシング詐欺まで、オンライン上のさまざまな脅威に対して子どもや10代の若者が無防備であることに疑問の余地はない。2016年に行われた調査によると、子どもが初めて自分のスマートフォンを持つ平均年齢は10.3歳で、39%の子どもが11才のときに初めて自分のソーシャルメディアのアカウントを開くという。ただし、そうした子どもたちが自分の身を守るのに必要な正しい情報を得ているかどうかは、また別の問題だ。

Hewlett Packard Enterprise

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、米国のガールスカウトと協力してこの課題に取り組み、少女たちがネットで自分の身を守るのに必要な知識を得られるようにしようとしている。またHPEは、新たなゲームやサイバーセキュリティに関するカリキュラムによって、より多くの少女がITやサイバーセキュリティの分野におけるキャリアを考えられるよう働きかけたいと考えている。

 このカリキュラムは9〜11歳の「Junior」が対象で、4つの分野(個人情報とデジタルフットプリント、オンラインでの安全、プライバシーとセキュリティ、ネットいじめ)をカバーしている。プログラムやゲームを修了した少女たちには、制服に付けるワッペンが与えられる。こうした取り組みはすべて、2025年までに250万人の少女たちを科学・技術・工学・数学(STEM)分野のパイプラインに送り込むという、ガールスカウト組織のより長期的な目標と連動するものだ。

 サイバーセキュリティ分野でさらなる女性の支援などに取り組むHPEの女性従業員のサイバーセキュリティグループが、ゲームやカリキュラムの無償開発に携わった。

 HPEで最高情報セキュリティ責任者(CISO)を務めるLiz Joyce氏は次のように述べている。「若いうちにサイバーセキュリティの基礎知識を身につけることは不可欠であり、道路の渡り方を学ぶように、実社会における安全上のスキルと同じくらい基本的なことだ」

Hewlett Packard Enterprise

 「Cyber Squad」というこのゲームはゲームスタジオRomero Gamesが設計した。Cyber Squadは、プレーヤーがフィッシングやネットいじめ、オンラインでの安全などのサイバーセキュリティの問題をシミュレーションできるゲームで、インタラクティブでストーリー性のある形になっている。Romero Gamesの共同創業者であるBrenda Romero氏は、若い少女たちにとってゲームのシナリオがリアルに感じられるよう、17歳になる自身の娘Maezzaさんに協力を求めたという。

 現在、このゲームはウェブインターフェースで利用できるようになっている。今後1年の間に、モバイルやデスクトッププラットフォームで提供開始される予定だ。ガールスカウト向けに印刷可能なボードゲームとしての公開も予定されている。

 HPEは、ワシントン広域都市圏で6万人の少女が参加しているガールスカウトNation’s Capitalと協力してゲームやカリキュラムを公開した。今後は、他のガールスカウト組織や青年団体などにも提供する計画だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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