東さんは、ネット販売の環境がそろってきた今は、個人で買い付けて販売するチャンスとも指摘する。「たとえば、1個3ドルのランタンを100個仕入れても約3万円。それをpaymo biz(ペイモビズ)やBASE(ベイス)、メルカリなど、そういうサービスを使って、一般の人が買ってから売るまでを比較的簡単にできる」(東)
香港エレクトロニクス・フェアには、最小発注量5個から最大1000個と小ロットで発注できる「hktdc.comスモール・オーダー・ゾーン」がある。また、各ブースでは、バイヤー向けのサンプルとして、あらかじめ安く販売しているところがあるほか、展示の最終日近くになると、持って帰るのが負担になるため、展示品を安く販売するところも少なくない。実際、記者も会場を歩きながら「これは売れるかも」「試してみたい」と思うものが多くあった。
「展示会にさえいれば、売るためのネタはたくさんあります。ただし、気をつけなければいけないのは、危険物でないこと。なにか事故が起きたときが大変なので、例えばバッテリーなど客がケガをする可能性があるものは売らない。もうちょっとリスクのないものを探したほうがいい。また、使い方が難しいとサポートが大変なので、そうしたものも外した方がいい。そして、きちんと関税を払うことも大切です。関税は代理店があるので、そうしたところを通すのも手です。だいたい、だいたい関税と消費税で仕入れの2割見ればいい。ちょっと勉強するだけで、お小遣い稼ぎができるかもしれない。売れるか売れないかわからないけれど、お店ごっこができるのは楽しいでしょう」(東)
また、商品の発送を考えて、商品を選ぶのもいい。「薄くて小さいものを選べば、日本郵便の全国一律運賃で荷物を送れるサービスクリックポストで185円で郵送できます。クリックポストのすごいところは、オンライン上のマイページに住所をリストとして残せて、1クリックでQRコードの伝票が作れるところです。それがA4の4分の1のサイズなので、A4を4分割しているシールを使って、プリントして貼って送るだけだからすごく簡単。スマートフォンケースRAKUNI(ラクニ)に関してパッケージを2cmぐらいにしているのは、それで送れるから。簡単なプチプチ資材を用意し、封筒で30円として、215円で送れるので、気軽にできます」(東)
また、Amazon.co.jpも活用する東さんだが、ショッピングサイトはユーザーの好みもある。そうした人に向けて、カード決済あるいはコンビニ決済の手段として活用しているのがpaymo bizだ。「売れた金額が月5万円までなら無料。売上げが5万円以上なら、売上げの5%が必要になりますが、プランを選べます。通常プランなら、一律、2.95%。ペイモ側にたまったお金は、1回200円で自分の口座に移せます。そういう簡単にウェブサイトをつくらなくてもモノを売れるような決済システムがでてきているから、そうしたサービスと安い郵送を組み合わせると誰でもモノを売れる。夢があるでしょう?」(東)
なお、AnyPayはわりかんアプリ「paymo」について2019年5月にサービスを終了予定だが、決裁サービスのpaymo bizは継続すると表明している。
飛行機も、LCCの到来により以前より足を運びやすくなっている。「香港エクスプレスができてから、これまで往復7万円〜8万円とかかかっていたのが、往復2万5000円〜3万円で来られるようになっています。そういう意味でも普通の人が行っちゃおうかな、と思える状況になっているのではないでしょうか。リテラシーが上がってくると、AliExpress(アリエクスプレス)とか淘宝(タオバオ)などのインターネットから買ってきて売るという人もいますが、そうだとしても似たようなものは実物を一度見ておいたほうがいい。あの展示会でああいうのが出ていたな、というように勘所がつかめます」(東)
香港エレクトロニクス・フェアは、1日では到底見きれない規模でかなり広い。日本国内で行われている展示会しか知らないと驚くことだろう。東京から飛行機で4時間で行ける距離で、時差は+1時間。百聞は一見に如かず、ぜひ一度会場に足を運んでみると新たな発見があるはずだ。
取材協力:香港貿易発展局(HKTDC)
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