Googleからスピンアウトした自動運転車開発企業Waymoは、配車サービス「Waymo One」を12月上旬にアリゾナ州フェニックスで開始した。このサービスはUberやLyftと競合するが、完全に自動運転車だけで運営する点が大きく異なる(もっとも、現在のところは運転席にドライバーが同乗する)。
Waymo Oneのアプリは「Android」と「iOS」を対象に提供されているが、実際にサービスを利用できるのは、極めて少数のユーザーに限られる。Waymo独自のアーリーライダープログラムに加入する数百人のうち、一部のユーザーだけだ。
うれしいことに、その印象を筆者が伝えられることになった。ちょうど試乗したところだからだ。
Waymo Oneアプリの動作はUberやLyftとほとんど同じだ。現在地と目的地を知らせると、移動にかかる時間と料金を教えてくれる。
ただし、いくつか重要な違いもある。特に大きいのは、乗車したい位置と、降車を希望する位置の指定が細かいことだ。道路のどちら側か、駐車場の中でどの辺か、あるいは一番アクセスしやすいポイントはどこかといった情報が必要になる。
もちろん、UberとLyftも限られた場所、例えば相乗りポイントが決まっている空港などでは同じように指定しなければならない。だが、ある単純な理由から、Waymoの位置指定の細かさは別格のものとなっている。「給水栓の近くにいる。そちらはどこ?」といったメッセージをWaymoの仮想運転手に送るようなことはできないからだ。
位置情報を入力すると、アプリにはルートと料金が示される。筆者が試したときは、15分の移動で約7ドル(約790円)だった。これら全てを確認すると、見慣れた道路地図が表示され、原寸に比例しないサイズのクルマのアイコンが、自分のいる大体の場所に向かって近づいてくる。
ただし、UberやLyftと違って、なぜだかクルマがちっとも動かないという腹立たしい状態で5分間じっと待たされるようなことはない。筆者が何度か試した限り、クルマはすぐこちらに向かって動き出した。到着したら、あとはその「Chrysler Pacifica Hybrid」に乗り込み、ドアを閉めて、大きい青いボタンを押すだけで走り始める。
筆者はこれまでも、試験段階の自動運転車に乗る機会に恵まれてきたが、一般サービス向けに完成していると表向きに称するクルマを試したのは初めてだった。試乗した時間は確かに短いが、(間違いなく限定された)試験地域で起こりそうな問題に対処する準備ができていないと感じさせる場面は一度もなかった。
言い換えるなら、Waymoの自動運転は完璧とは言えないまでも、UberとLyftが普及して以来数年の間に筆者が体験してきた多くの運転よりも安全だと思ったのは間違いない。
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