「Windows Core OS」(別名「WCOS」)については、さまざまな情報が流出しているが、Microsoftがこの用語について公に説明したことは一度もない。WCOSが絶えず進化する性質であることも、その理由の1つなのかもしれない。米国時間12月3日の新たな報道を踏まえて考えると、WCOSに関して、また新しい名案が出てきたようだ。
WCOSは、簡潔に言うと「Windows OneCore」の後継とみられる。筆者が複数の情報筋から聞いた話によれば、OneCoreは、「Windows」をモジュール化して共通のカーネルと開発プラットフォームを作り出すことで、「Windows 10」の基盤を各種の端末間で共有できるようにすることを目指すMicrosoftの戦略だという。
Windows Centralなどでも報じられているが、Microsoftがさまざまなフォームファクタに対応するために、Windows 10のさらなるモジュール化、WCOSと多種多様なシェル(「Aruba」や「Sydney」「Scarlett」「Polaris」「Andromeda」など)の開発に取り組んでいるという話を筆者も耳にした。2018年初頭までは、それが同社の計画だった。
だが、Windows事業統括者のTerry Myerson氏が退社した後は、情報筋の話を聞く限り、Windowsを前進させる最善の方法ということに関して、全てが流動的な状態になっていると感じる。
その後のWindows 10ソフトウェア開発キット(SDK)のコードには、WCOSとAndromedaの記述が含まれていたが、Microsoftは、デュアルスクリーンを搭載するスマートフォンサイズの端末であるAndromedaのリリース計画を少なくとも一時的に棚上げしている(開発コード名に関して1つ留意しておかなければならないのが、「Andromeda」は紛らわしいことに、ハードウェア端末とソフトウェアシェルの両方の開発コード名であるということだ。筆者がここで言及しているのは、端末の方である)。
その一方で、WCOSは未来のWindows端末用OSとして生きながらえた。
ただし、情報筋によると、WCOSの優先事項が変わったという。具体的に言うと、Microsoft関係者は、WCOSを当初の計画通り「Universal Windows Platform」(UWP)のみのプラットフォームにするのではなく、WCOSでWin32アプリを実行できるようにすることに決めたというのだ。
ここで、Windows「Lite」という概念が登場するのだと思う。LiteはWCOSの制限版になるのではないだろうか。
Tero Alhonen氏が先頃、最近のWindows 10 SDKビルドに記載された各種のWindows SKU(またはエディション)のリストと思われる画像を投稿した。そのリストには、「Cloud」(「Windows 10 S」の開発コード名)とAndromedaのほかに、「Lite」という名称があった。
12月3日、ジャーナリストのBrad Sams氏がPetri.comに投稿した記事によると、このLite SKUは、Windows 10の制限版で「Chrome OS」に張り合おうとするMicrosoftの新たな試みの可能性があるという。SモードのWindows 10と同様、Windows LiteでもUWPアプリまたは「Microsoftストア」からインストールしたアプリケーションしか使用できない可能性がある、とSams氏は記している。さらに、MicrosoftがこのSKUに「Windows」以外の名称を付ける可能性もあるという。
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