グーグル「Pixel Slate」を使ってみて--長所と短所、「iPad Pro」との比較など - (page 3)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2018年12月10日 07時30分

ストレージ拡張スロットは非搭載

 Pixel Slateには、SDカードスロットもmicroSDカードスロットも搭載されていないので、本体のオンボードストレージで妥協するか、USB-C接続の外付けドライブを使用するしかない。599ドルの構成の32GバイトのストレージはChromebookの基本的な用途には十分なはずだが、microSDカードを利用できないことには不満を感じる。

figure_9
提供:Sarah Tew/CNET

Chrome OSに縛られ、「Google Play」は「iOS」の「App Store」にかなわない

 Chrome OSにも利点はある。自動でアップデートされること、クリーンでセキュリティが強固なこと、そして、瞬時に起動することだ。だが、それは作業にGoogleのOSに縛られることも意味する。アプリ間でのマルチタスキングはスムーズに感じられないこともあるが、PCのようにアプリをウィンドウ内で移動させることができる。

 Google Playのアプリの品揃えは予想よりも充実しており、Pixel Slateは多くの「Android」アプリをサポートするが、筆者の使用するほぼ全てのChrome OSアプリはオンライン状態でなければ使えない。オフラインで使用できるアプリもいくつか存在するが、全体的なオフラインの体験はiPad Proよりもはるかに劣る。Chromeは子供が使う場合や日常の気軽に使用するコンピュータとしては最適な環境だ。だが、価格の高さを考えると、筆者はそれほど寛容にはなれない。

 同じように、Google Playの標準のAndroidアプリを使用できるのは素晴らしいことだが、低価格なデバイスでできたら、もっと素晴らしいと感じただろう。アプリのパフォーマンスと品揃えは、筆者が何年も前にChromebookを常用していた頃に比べれば改善されているとはいえ、まだiPadから乗り換えようという気にはならない。

Pixelbook Penは「Apple Pencil」に見劣りする

 Pixelbook Penは「Surface Pen」やApple Pencilと同様、感圧描画機能を提供するが、この中では最下位の選択肢だと筆者には思えた。競合製品よりもずんぐりしたPixelbook Penは1本の単6電池を使用し、「Google Keep」(ここに素早くメモをとることが可能)や「Adobe Photoshop Sketch」といったさまざまなスケッチアプリやメモ作成アプリと連携するが、遅延が頻繁に発生する。さらに、GoogleのOSはペン先がどこに移動するのかを概算して機能させているように思える。これが原因で、落書きしていた曲線の位置が若干ずれた。これには不満を覚えた。

figure_10
提供:Sarah Tew/CNET

ヘッドホンジャックが非搭載

 ヘッドホンジャック廃止の流れが続いている。まずスマートフォン、そして今度はタブレットが対象だ。2018年に入ってiPad Proで廃止された。Pixel Slateもこれに倣い、代わりに2基のUSB-Cポートのみを備えている。1基よりも2基のUSB-Cポートがある方がいいのは確かだ。GoogleはUSB-C to 3.5mmのヘッドホンジャックアダプタも同梱している(不可解なことに、Appleはそれをしていない)。しかし、それで3.5mmジャックの廃止に対する不満が減るわけでもない。

figure_11
提供:Sarah Tew/CNET

タブレットとしては重たい

 Pixel Slateの重量は731gで、変に中身がぎっしり詰まっているかのように感じられる。オプションのキーボードの1つを接続してノートPCとして見れば、もっと普通な感じがする。いずれにせよ、快適かつ気軽に読書を楽しめるようなタブレットではない。

たまにバグが見られる

 まれに奇妙なポップアップが表示されたり、ウェブページが適切にスクロールしなかったりするなどのバグが見られた。Chrome OSのアップデートで修正されるのか、Pixel Slateに固有のものなのかは不明だ。

誰のためのデバイス?

 筆者はまだPixel Slateを試しているところだが、599ドルのこのタブレットを、より安価なChromebookや、Surface ProまたはiPadよりも好むのはどのような人かという疑問を解消できずにいる。Chrome OS搭載コンバーチブルの将来像に向けたレファレンスデザインとしてなら、Pixel Slateは着実な一歩といえるだろう。しかし、誰かに購入を勧めようとは思わない。勧める相手がいるとすれば、Linuxも使えるハイエンドのChrome OSタブレットが欲しくて、なおかつ懐にかなり余裕のある人だけだろう。

 Pixel Slateを使ってみて、高性能なキーボードとトラックパッド、それに優れたブラウザがあれば違いが出るということは分かった。そして、それはiPad Proに求められながら欠けているものでもある。それでも、Pixel Slateはその他の人々にとって、その高い価格に見合うものとは思えない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]