RoyoleのFlexPaiと同様、サムスンのモデルでも、折りたたんで閉じた状態のときに見ていたアプリや画面が、開いた画面に自動的に遷移する。その逆でも同じだ。FlexPaiでは、その遷移が少し遅れるのが分かったが、サムスンのモデルで遷移がどう処理されるかを見る機会はなかった。
サムスンは、折りたたみスマホのために「Infinity Flex Display」という新しいディスプレイを開発した。同社によると、ディスプレイを構成している通常の層(スマホで見ている「画面」を明るくする層)に手を加える必要があったという。ディスプレイは全て複数の層で構成されているが、普通は重ねられていて、動くことはない。Infinity Flex Displayには、サムスンが開発した新しい接合技術が使われている。ディスプレイの層を、何十万回も曲げたり折ったりできるように積層加工するために開発されたものだ。
Infinity Flex Displayは、どのモバイル用ディスプレイより薄くすることも必要だった。偏光板を45%薄くしたことで、スクリーンの視認性を向上させている。
サムスンによると、「数カ月以内」に量産体制に入る予定だという。販売開始は2019年になりそうだ。より詳しいことを紹介するために、また別の発表イベントが開催されると予測される。繰り返しになるが、今回はチラ見せにとどまったからだ。
手短に言えば、答えは分からない。サムスンからまだ発表がないからだ。ただ、値が張りそうだとは容易に想像できる。Royole FlexPaiの開発者向けモデルは、6GバイトのRAM、128Gバイトの内部ストレージを搭載するモデルで1318ドル(約15万円)、RAMが8Gバイト、ストレージが256Gバイトになると1469ドル(約16万7000円)となっている。
サムスンのパワーユーザー向けGalaxy Note9は999ドル(約11万3000円)からなので、最先端の折りたたみスマホとなれば、少なくとも1500ドル(約17万円)からと考えていいだろう。サムスン(やRoyole)などのデバイスメーカーは、ユーザーにその値段を納得させるために、有効画面の全体的な広さをアピールすることになるはずだ。どのみち、タブレットとスマートフォンが1つで済むようになるし、スマホ単体の価格は上昇傾向にある。
サムスンとしては、折りたたみスマホでも、現在のGalaxyシリーズと同じくらいのバッテリ持続時間を目指す、と同社モバイル事業部のエンジニアリングディレクター兼システムソフトウェアグループ責任者を務めるJisun Park氏は述べている。バッテリを大量に消費するアクティブな画面が増える前提での目標だ。米国版Galaxy Note9のバッテリ持続時間は、米CNETの動画ループ再生によるバッテリ消費テストでは、平均19時間20分だった。
設計の詳細までは確認できなかったが、バッテリは曲がらない。おそらく、一方に大型バッテリが内蔵され、もう一方にそれ以外のほとんどの部品を配置してバランスを取るのだと考えられる。ZTEのAxon Mでの最大の不満は、バッテリを内蔵している側が、反対側より極端に厚く重いというアンバランスさだった。サムスンには、その点に気を遣ってほしい。
「今後のイノベーションとしては、巻いたり広げたりできるディスプレイも予定している」。サムスンのシニアバイスプレジデントを務めるJustin Denison氏は、7日のプレゼンテーションでそう語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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