マーケティングオートメーションツールなどを手がけるマルケトは11月2日、4度目となる自社イベント「THE MARKETING NATION SUMMIT 2018」を開催。午前中の基調講演では、同社のビジョンや製品戦略などが語られた。
当初、登壇予定だった米Marketo CEOのSteve Lucas氏は、Adobeによる同社の買収手続きのために欠席し、ビデオメッセージでコメント。「アドビとマルケトはともにマーケターやセラー、皆さまの組織のために強いコミットメントをしていく。世界一パワフルなカスタマーエンゲージメントプラットフォームを目指す」と意気込みを述べた。
また講演では、マルケト製品責任者の新田達也氏と、同社ソリューションコンサルタントの石野真吾氏がマルケトの製品戦略を説明した。新田氏は、多くのマーケターは3つの課題を抱えていると話す。(1)顧客に最適なタイミングでパーソナライズされた情報を届けること、(2)限られたマーケティング予算の中でオペレーションを効率化しながら収益をあげること、(3)マーケティング活動の成果を可視化することだ。
それに対して、同社が解決策として提案するのが、「AIによる効率化」「アナリティクスの可視化」「セールスとマーケターのコラボ支援」だという。
まず、「AIによる効率化」については、顧客に関連性の高いコンテンツを自動抽出して、チャンネル横断で統一したメッセージを届けることができる「ContentAI」を提供している。
また、同社は2017年にGoogle Cloudと提携しており、共同で開発中なのが「AudienceAI」。過去のリードのコンバージョン傾向に基づいて、今後コンバージョンにつながりそうなオーディエンスを見つけることができる。さらに、機械学習で自社に適切なターゲットアカウントを自動抽出する「AcountAI」をクローズドベータ版で提供中だ。
続いて「アナリティクスの可視化」については、2つの製品を提供している。1つ目がさまざまな角度からキャンペーン成果を可視化できる「パフォーマンスインサイト」。収益や営業へのパイプラインの状況を可視化できるほか、カスタム属性の絞り込み分析も可能。チャートをパワーポイントやエクセルに書き出すことができ、経営層へのレポートなどに活用できる。
2つ目は、アトリビューション分析ツール「BIZIBLE(ビジブル)」。セールス活動でのあらゆるタッチポイントを網羅したアトリビューション分析ができる製品だ。どのタッチポイントがどれくらい貢献したかをベースにした投資分配が可能となる。
「セールスとマーケターのコラボ支援」では、マーケティングと営業の連携を強化する新製品「Marketo Sales Engage」のパイロットプログラムの提供を11月に開始した。
日々利用しているメーラー上で、オートメーションとパーソナライズの両立したマーケティングが展開でき、テンプレートやキャンペーンの状況をチーム間で分析・共有できる製品だ。現在は、ウォンテッドリーやFORCASなどがパイロットプログラムを導入しており、2019年に正式ローンチする予定だという。
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