サムスン電子の2018年第3四半期(9月30日締め)は過去最高の営業利益を計上したが、それはスマートフォンによるものではなかった。
同社は米国時間10月30日、メモリチップとその他の部品の高い需要により、過去最高の営業利益を達成したと発表した。同社は製造したプロセッサを自社の製品に用いるだけでなく、Appleをはじめとする他社にも販売している。
発表によると、同社の第3四半期の営業利益は17兆5700億ウォン(約1兆7400億円)で、前年同期より約21%増。売上高は前年同期比5.5%増の65兆4600億ウォンだった。
「第3四半期の営業利益が過去最高となったのは、主に堅調なメモリ事業によるものだ」と、同社は声明で述べた。
また、サムスンの半導体事業の営業利益は前年同期比37%増の13兆6500億ウォンで、売上高は24%増の24兆7000億ウォンだった。
サムスンは世界最大のスマートフォンならびにテレビメーカーとして知られているものの、メモリチップも世界で最も多く販売している。2017年、同社は長年に渡り半導体メーカーのトップであったIntelの売上高を上回り、世界最大の半導体メーカーとなった。
一方、サムスンのモバイル部門は不調で、第3四半期の営業利益は前年同期比32%減の2兆2200億ウォンだった。売上高も前年同期から10%減った。
サムスンのフラッグシップ端末「Galaxy S9」と「Galaxy S9+」は3月16日に発売され、カメラとオーディオが改良されたものの、売り上げは伸び悩んだ。Galaxy S9シリーズの売り上げが初めてすべて反映された第2四半期、サムスンは大手モバイルメーカーの中で最も多く市場シェアを失い、軟調な業績を記録した。
サムスンによると、「Galaxy S9」と「Galaxy S9+」の第3四半期の売り上げは「堅調」だったものの、ミドルレンジやローエンドのスマートフォンの売り上げが伸びなかったほか、プロモーション費の増加、為替の影響を受け、利益は伸び悩んだという。
同社は第4四半期にスマートフォンの出荷台数の増加を見込んでいるが、プロモーション費の増加が売上高に影響を及ぼす可能性があると警告している。
サムスンは第2四半期、前年同四半期よりも出荷台数が10%減少したものの、スマートフォン市場で首位を維持したと、市場調査会社のStrategy Analyticsが7月に最新のデータを用いたレポートで述べた。全体的には、世界のスマートフォンの出荷台数は第2四半期に3%減となった。買い替えサイクルの長期化、端末助成金の減少、新しいハードウェアの設計におけるイノベーション不足などが原因だとみられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」