サムスンの新しいチップ製造法が実用化の段階に入った。今後スマートフォンや機器の高速化や省エネ化に役立つだろう。
サムスンは韓国で現地時間10月18日、極端紫外線(EUV) リソグラフィを利用するLPP(Low Power Plus)プロセスでの7nm(ナノメートル)チップの製造を開始したと発表した。この技術は何十年も前から開発されていたが、これまで製造現場で用いられことがなかった。
サムスンの7nm LPP EUVプロセスは、Qualcommの次世代「Snapdragon」5Gモバイルチップセットの製造に利用される予定だ。両社は2018年、華城工場「S3 Fab」での7nmチップ生産に向けて、60億ドル(約6740億円)の新しいEUVラインの建設をサムスンが開始した時に、この事実を認めた。
サムスンはこの製造プロセスについて、5G通信や人工知能(AI)、ハイパースケールデータセンター、モノのインターネット(IoT)、自動車、ネットワーク用のチップ製造に利用できると述べている。
サムスンによると、顧客にとってこの方法でウエハを製造する大きなメリットは、より低コストなチップ製造プロセスで新製品をさらに迅速に発売できることだという。
製造の迅速化は、シリコンウエハの製造パターンにEUVリソグラフィを用いることで可能になる。
EUVは、13.5nmの波長の光を発することができ、193nmの波長にしか達しない従来のフッ化アルゴン液浸技術に必要な複数回の露光ではなく、1回の露光でウエハ層を製造できる。
サムスンが「7LPP」と呼ぶ7nm製造技術により、10nmプロセスと比べて、面積効率が最大40%アップするほか、性能が20%向上し、消費電力が50%減少する。
サムスンは、次世代設計のチップの大量生産が必要な顧客向けに、2020年までに新しいEUVラインを利用できるようにしたいと考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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