両国政府の関係がぎくしゃくしてきたことは15日に日本のテレビニュースなどでも大きく取りあげられていた。
米国のトランプ政権はこれまでイスラエル、サウジとがっちり組んで、中東情勢を安定させようとしてきた、あるいはイランの封じ込めを狙う動きを進めてきた。この3国連携の具体的な当事者は、米国側がJared Kushner氏(イバンカ氏の夫=トランプ氏の娘婿)、イスラエルがBenjamin Netanyahu首相(Kushner一家と家族づきあいの間柄で、Kushner氏のことは子供の頃から知っている)、そしてサウジがMBSである。
MBSとKushner氏との緊密さについては、2018年春にThe Interceptで、「MBSが『Jaredはオレのポケット(=掌中)に入った』と自慢した」という話が報じられていた。下掲の動画は、この話題を扱ったCNNの報道。
そのMBSの指示で、曲がりなりにも米国居住民であるジャーナリストが殺害された可能性が浮上したことで、トランプ氏もさっそくこの件に反応せざるを得なくなっている(下掲のCNNニュースのなかには「サウジ政府がKashoggi氏を殺害したことが本当だとわかったら、厳しい処罰をするとトランプが公約した」旨の見出しが躍っている)
トランプ氏は初の外遊先としてサウジを訪れ、その際に1100億ドル相当の武器輸出の話をまとめていた。つまり、米国にとってサウジはいまたくさん兵器を買ってくれる大のお得意さんでもあり、また歴史的には米国にとって「国外にあるもうひとつの主要石油供給源」(エネルギー安全保障に関する重要なパートナー)でもある。そうしたことを考えると、「厳しい処罰」を簡単に実行できるとも思えない。が、そうした言葉がトランプ氏の口に上るほど、この事件は重大なものとして受け止められていることが、この動画から感じ取れる。
なお米国では2016年、人権侵害を続ける外国政府には是正の圧力をかける意味で制裁措置を課すという法律ができていたそうで、今回の一件でKashoggi氏の死亡が確認され、その殺害にMBSらが加担していた(あるいは首謀者としてゴーサインを出した)証拠が出るようなことになれば、トランプ氏としても制裁措置を発動せざるを得なくなるかもしれない。米国にとってサウジがどんなに重要な同盟国であるとしても、だ。
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