グーグルは10月10日、新たなスマートフォン「Google Pixel 3」(5.5インチ)と「Google Pixel 3 XL」(6.3インチ)を、11月1日に日本で発売することを発表した。同社のスマートフォンとしては、2015年に発売された「Nexus 6P」から約3年ぶりの日本発売となる。同日より、Googleストアで予約購入を受け付ける。なお、同端末はNTTドコモとソフトバンクからも同日に発売予定で、10月19日午前10時から予約を受け付ける。
価格は、Pixel 3の64Gバイトモデルが9万5000円、128Gバイトモデルが10万7000円、Pixel 3 XLの64Gバイトモデルが11万9000円、128Gバイトモデルが13万1000円。これにあわせて発売されるQi準拠のワイヤレス充電器「Pixel Stand」は9504円。
Pixel 3は、「Nexus」に続くグーグルのスマートフォンシリーズ「Pixel」の最新モデル。OSは、Android 9 Pieを搭載。また、Pixel 3専用のセキュリティチップ「Titan M」も搭載する。iPhoneからも移行しやすくなっており、専用のUSBアダプタ「クイックスイッチアダプター」を介してPixelと直接接続するだけで電話帳や写真といったデータを転送できる。
SoCはQualcomm Snapdragon 845を搭載。RAMは4Gバイト。本体カラーは、クリアリーホワイト、ジャストブラック、ノットピンクの3種類をラインアップした。USB-C端子を搭載し、18Wの急速充電が可能なほか、Qiワイヤレス充電もサポートする。アルミ製フレームを採用、IPX8 防じん・防水仕様となる。重さは、Pixel 3が148g、Pixel 3 XLが184g。
同社の決済サービスである「Google Pay」に加えて、「おサイフケータイ」(「QUICPay」「Suica」「nanaco」「楽天Edy」「WAON」)にも対応した。
さらに、AI機能も強化。端末の側面を握るとGoogleアシスタントが起動する。そのままAIに質問したり、「Google Lens」を立ち上げることもできる。また、Pixel Standに乗せた状態で話しかけると、スマートスピーカのように使うこともできる。設定を有効にした状態で店内などのBGMを検出すると、その楽曲名を表示する「Now Playing」機能も搭載する。
同日には日本でも記者発表会が開かれ、Google Pixel担当シニア ディレクターのナンダ・ラマチャンドラン氏が登壇。ボディデザインやGoogleアシスタント連携といった、Pixel 3のさまざまな魅力を紹介したが、中でも時間を割いてアピールしていたのが、前モデルから大幅に進化したというカメラ機能だ。同社では、Pixel 3購入者向けに無料で「Googleフォト」の無制限ストレージを提供。4K動画や静止画を画質を落とすことなくクラウドにアップロードできる。
Pixel 3では、12.2メガピクセルの背面カメラを搭載。F1.8のレンズを搭載し、デュアルピクセル位相差検出に対応したAFを採用する。また、8メガピクセルのフロントカメラでは、標準(視野75度でF1.8)と広角レンズ(視野97度でF2.2)の2種類を搭載し、シーンに応じて切り替えできる。
また、タイムラグなしに1度に7枚の写真を撮影して合成するHDR+機能を搭載。雑誌の表紙撮影に使っても満足できる写真品質を実現したという。さらに、機械学習を用いた「夜景モード」機能を搭載。ラマチャンドラン氏は、「iPhone XSよりも明るく夜景を撮影できる」とアピールした。
「トップショット」機能では、写真を撮るとAIがシャッターを押す前後の画像を解析して、写っている人たちが目を開いて笑顔でカメラを向いた瞬間をレコメンドしてくれる。シャッターを押すタイミングがズレてしまっても、複数の写真から最適な1枚を選んでくれる。
自撮り向けの機能も充実させた。「グループ自撮りモード」では、先述の2種類のフロントカメラを使用することで、184%広い画角で撮影可能。複数人での自撮りも楽しめる。そのほか、「フォトブースモード」を選ぶと、笑顔などをAIが検出して自撮り写真を撮影できるため、シャッターボタンに指を伸ばす必要がないという。
「ポートレートモード」では、iPhone XSなどと同様に、撮影後に背景をぼかしたり焦点をズラしたりできる。前後のどちらのカメラでも利用できるという。さらに、被写体だけに色を残して、背景を白黒にするといった加工も可能だ。このほか、動き回る仔犬や子どもなどを動画で撮影する際も、「モーションオートフォーカス」によって、ピントを自動で合わせてくれるという。
Pixel 3の発売にあわせて、カメラで撮影した被写体を識別し、似た商品を検索できる機能「Googleレンズ」も日本語で利用できるようになった。目の前のものを調べたい時に、Pixel 3のカメラを向けて画面を長押しすることで、レストランのメニューを翻訳したり、よく似た洋服を探したり、植物について調べたりすることができる。名刺やメールアドレスにカメラを向けて、「連絡先の追加」をするといったことも可能だという。
AR機能も進化した。新機能「Playground」では、3Dキャラクターとカメラが撮影している実際の風景をリアルタイムで合成する。例えば、スクリーン内で動き回るマーベルのキャラクターと一緒に自撮りすることもできる。
なお、Pixel 3シリーズの国内発表では、音声AI技術「Google Duplex」を採用し、電話着信時にCall Screen機能を選択することでAIに応対させながら、ユーザーが引き継ぐか定型文で返答させるかを選択できる「Call Screen」のほか、Chrome OSを搭載した新型タブレット「Pixel Slate」と、スマートディスプレイ「Google Home Hub」など、「Made by Google 2018」イベントで発表された一部の内容は登場しなかった。
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