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降谷建志が語る「音楽とテクノロジー」--単独ロングインタビュー - (page 2)

藤井涼 (編集部)2018年10月17日 11時00分
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 使ってないです、一切。Googleよりも自分の方が音楽をわかっているくらいに思っているから。ラジオも聴かないんだけど、それも単純に自分の好みだったり、より深いものが流れてこないからなので。専門チャンネルで自分が知らない発見があるチャンネルとかたまにあるじゃないですか。そういうのは聴いていてすごく楽しいですけど、車とかでラジオは聴かないかな。たとえば、東京から新大阪まで新幹線で2時間半あったら、自分のiPhoneに入っているアルバムを組み合わせて聴きながら、その時間を過ごしてます。

——たしかに、現状のスマートスピーカではプレイリストを通じて新たな楽曲とは出会えますが、個別のアーティストについて深い知識を得たり、特定の音楽だけをひたすら聴くといった用途にはあまり向いていませんよね。次はライブでのテクノロジー活用について教えて下さい。3月には、クリエイティブレーベル「nor(ノア)」とともに、音楽×映像×アート×テクノロジーが一体となったライブイベント「SOUND & VISION X」を開催しましたが、振り返ってみていかがですか。

 素晴らしかったですよ。究極、音楽も映像もエンタメなので、誰かに伝えて誰かが何かを感じてそこで完結するものじゃないですか。やっぱりあそこまで最先端で何かを壊そうとか、何かを始めようと思っている人たちのアイデアって、何もしていない人からは到底生まれないんですよね。演出面でも、巨大な地球儀のような球体を頭上にずっと吊り下げて、その球体が全面プロジェクションマッピングになって星に変わったり、太陽に変わったり、隕石に変わったりする。明かりと発光の仕方でここまで表現できるのはすごいと思いました。

3月に開催した「SOUND & VISION X」
3月に開催した「SOUND & VISION X」

——過去のライブなどでもテクノロジーを活用されていますか。

 Dragon Ashはかなり初期からライブに映像やテクノロジーを入れてますよ。でも、今はどちらかというとそういう人も増えてるから、あえて削いでるって感じかな。もう客演もなく映像もなく、想定外の演出は一切なく真っ向勝負みたいな方にバンドはシフトしてます。ソロは全然そんなことないんだけど。

——楽曲制作やライブなどで、「将来、こんな夢のような技術やテクノロジーがあったら使ってみたい」と思うものはありますか。

 そうだなぁ。これはすごい昔から思っていて、RIP SLYMEのDJ FUMIYAも同じことをずっと言ってるんだけど、手に「USBメモリ」をつけたいです。ソロアルバムでは全部の楽器を1人で弾いてるんですけど、手は2本しかないし、長時間スタジオにいると疲れてきて、発想に実作業が追いつかなくなるんですよね。だから、(手首のあたりを指さしながら)このあたりにUSBがあれば時短にもなるし、頭で考えていることをそのまま音楽にしてくれればいいなって思いますね。

——その発想はなかったです。最近は、指先にICチップ入れている人も現れているので、意外と遠くない未来に実現するかもしれないですね(笑)。

 あれすごいよね。空港の税関とかで鳴らないのかな(笑)。

YouTuberは「カッコいい新しい職業」

——2ndアルバムにも収録されている楽曲「ワンダーラスト」のミュージックビデオ(MV)は、YouTuberに制作を依頼したそうですね。経緯を教えていただけますか。

 自分がファンだったというか、チャンネル登録している映像クリエーターの「れーと先生」にお願いしました。俺好きなんです、YouTuber。友だちもいるし。

——降谷さんも、YouTube見られるんですね。

 めちゃめちゃ見てます。新しい職業じゃないですかYouTuberって。今でこそYouTuberの大富豪もいて、高校生が将来はYouTuberになりたいって言ったり、職業として割とみんなに認識されているけど、そういう職業って理解力のない人がなんだかんだ言ったりしますよね。バンドマンも、100年史とか大きい括りでいったら新しい職業だと思うし。

 YouTubeはテレビの劣化版なんじゃないかと言う人もいると思うんですけど、YouTuberは1人でどこまでできるかっていう、能力値がすごく必要とされるじゃないですか。ほとんどの人が企画も撮影も編集も全部1人でやってるんですよね。いろいろな業界がいろいろなことにお金をかけられなくなっている現代には、個人でどこまでできるかっていうことがすごく問われている。だから、テレビに出るだけの人はあれを作れないわけですよね。編集するだけの人も、企画だけの人も作れない。全部自分でやるからこそできる。別にそれが個人主義なわけじゃなくて、YouTuber同士がコラボして新たな映像を作り出したりしているし、それをアップすることによって何万、何十万のフォロワーが数百万回再生したりするという。あくまでもネットだけど、そこでのつながりが維持できているので、カッコいい職業だと思います。

——ワンダーラストのMVの制作も、れーと先生が1人で担当したんですか。

 そうです。れーと先生は1人で撮影して編集して、おまけに1人でVFX(ブイエフエックス)までしちゃう、頭がおかしいやつなんですけど(笑)。彼の作品には、いつもリベンジャーが存在したりするんです。嫌なことをしてくる相手に対して、爆発とか過激な描写で仕返しをして、それを見た人がスッキリするみたいな、ちょっと捻くれた表現も入ってて面白いんですよ。だから、(ワンダーラストのMVも)遠慮せずにいつものれーと先生の世界観でやってくださいって言いました。

——れーと先生の動画を見た後にワンダーラストのMVを見ると、また一味違う楽しみ方ができそうです。ところで、このMVでは降谷さんが対戦ゲームで相手を打ち負かしています。降谷さんご自身は普段、ゲームをされるのでしょうか。

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