Entertainment×Techによるエンターテック領域に踏み出したエイベックスが、音楽テックシーンに特化した勉強会「Global Music Tech Symposium in Tokyo」を9月14日に開催した。音楽×テック事業を手がけるスタートアップ支援プログラムを運営する米国のアクセラレーター「Techstars Music」や、海外のスタートアップなどを招き、日本の音楽シーンにおけるテクノロジの可能性に対し、パネルディスカッションや意見交換を行った。
エイベックスでは、「エンターテインメント×テック」をキーワードに据えた新規事業を積極的に展開中。未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND」や、国際最大級のeスポーツイベント「RAGE」なども手がけている。
8月には、Techstarsが運営する音楽×テック事業のスタートアップを支援するプログラムであるTechstars Musicへの参画を発表。日本企業としてはレコチョクに続く2社目となり、今後エンターテック企業をサポートしていくという。
勉強会には、Techstars MusicからManaging DirectorであるBob Moczydlowsky氏らが参加。海外の音楽テック事業を手がけるスタートアップなど4社を招き、「世界の音楽テックにおける新しい潮流」をテーマにパネルディスカッションを行った。参加したのは、集中できる音楽環境を提供するEndel CEOのOleg Stavitsky氏(ドイツ)、超高速顔認証技術を手がけるBlink Identity CEOのMary Haskett氏(米国)、VRを使って音楽ライブなどを配信するWave VR CEOのAdam Arrigo氏(米国)、音楽テック特化のベンチャーキャピタルPlus 8 Equity PartnersのManating PartnerでミュージックイノベーターとしてTechstars Musicのメンターも務めるRishi Patel氏(米国)。モデレーターはMoczydlowsky氏が担当した。
Moczydlowsky氏が、日本の音楽テック市場について尋ねると「技術は非常に進んでいるのに、なぜかイノベーションはあまり起こっていない。スタートアップをサポートするエコシステムがなく、ここを育成する必要がある」とPatel氏は分析する。
コンテンツについて「言語のローカル化が必要ないVRコンテンツは日本市場で優位なのでは」とMoczydlowsky氏が問いかけると「Wave VRでは、言葉を使わずコミュニケーションがとれることが強み。人間は画像を重視しており、これはInstagramの人気を見てもわかること」とArrigo氏は、VRとしての優位性を強調した。
日本市場については「非常に関心を持っている。しかし適切なパートナーなしでは参入できない。大変有望な市場だが、パートナーを持つことが必要だと考えている」とStavitsky氏は、コラボーレーションの重要性を説いた。
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