Amazon.comが自動車向けの音声アシスタント「Alexa」対応デバイス「Echo Auto」を発表し、Googleも同様に「Google Assistant」対応の車載Android「Android Auto」を提供するなど、自動車分野でもIT企業がしのぎを削っている。両社とさまざまな領域で競合関係にあるAppleも、自動運転車の開発活動が報道されたり、自動車用スマートキーの標準化グループに参加したり、自動車関連の技術開発に取り組んでいる。
そんなAppleが、自動車の利便性向上にスマートフォンを活用する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間9月25日に「AUTOMATIC CONFIGURATION OF SELF-CONFIGURABLE ENVIRONMENTS」(特許番号「US 10,081,368 B1」)として登録された。出願日は2015年7月22日。
この特許は、ある環境の設定情報を消費者向け携帯電子デバイスに保存し、別の環境でその設定を再現する技術について説明したもの。環境と消費者向け携帯電子デバイスが具体的にどのようなものであるか、クレーム(請求項)では言及されていない。ただし、実施例などには、自動車のシート位置やミラー角度といった設定情報をスマートフォンに記録し、その設定を別の自動車に反映させる、という応用が可能と記されている。
自動車の運転席は、ドライバーの体形に合わせてシートやハンドルの位置、ミラーの角度などが調整できるようになっている。最近の自動車では、こうした設定情報をいくつか記録し、ほかの人が運転した後に自分の設定を呼び出す、という機能を備えているものも多い。この特許は、設定情報をスマートフォンに保存し、必要に応じて自動車へ反映させるアイデアだ。
設定内容は別の自動車に反映させることも可能で、たとえば自動車を買い替えたときやレンタカーに乗るときなどにこの特許が適用できる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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