女子高生などの10代は、全体にこのようなリアル感を求める傾向にあるようだ。たとえばTwitterで同番組への10代の反応を見ていると、「◯◯好きだから☓☓とくっついてほしい」「△△には幸せになってほしい」という意見は多い。
これは、MixChannelのカップル動画を見ているのと近い感覚だろう。彼女たちは、MixChannelでもカップル動画を見てカップルの恋愛を応援している。このように、作られたものではないリアルなものを応援する傾向にあるのだ。身近な存在で自分を投影できるため、疑似体験ができる面もあるだろう。
プリキャンティーンズラボの「10代女子のスマホ広告に関する調査」(2017年10月)によると、「スマホ広告について感じること」について聞いたところ、「スマホ利用中に広告が表示されると嫌な気持ちになる」が84.5%と圧倒的だった。
一方、「YouTuberの賞品紹介動画に対する印象」を尋ねたところ、「賞品が良さそうであれば使ってみたいと思う」が35.1%で一番多くなるなど、広告は嫌うが信頼するユーザーがすすめるものは興味を持つ傾向があることが分かっている。
10代は全体的に、インフルエンサーなどユーザーが実際に使っている口コミやレビューなどを信用する傾向にある。「広告ではなくて、マイナス点も含めた口コミなら信用できる」という(前述の女子高生)。「インスタで流行っているものはほしくなる。みんなが実際に使っているものだから」。
女子高生たちは、自分を投影できたり、やり取りできる身近な存在を応援する傾向にある。ポイントはリアリティがあり、リアルタイム性が強く、作っていないことだ。彼女たちとコミュニケーションする際の参考にしてみてはどうだろうか。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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