Instagramが援助交際の出会いの場として使われている。援助交際系のハッシュタグがあふれている現状をご存知だろうか。
以前、Instagramが勉強垢やダイエット垢などのコミュニケーションに使われたり、情報を取得したりするために使われていることをお伝えした。「インスタ映え」以外にも使われ方は広がっており、援助交際にも使われるようになっているのだ。
今回は国内外において、Instagramがどのように援助交際で使われているのかをお伝えする。海外の動向として、ここでは香港の事例を紹介するとともに、日本での現状や危険性なども解説する。
香港では、学生や勤労中の若い女性が援助交際することを「パートタイムガールフレンド」と呼んでいる。「part-time girlfriend」を略した「ptgf」は、形を変えてさまざまなハッシュタグとしてInstagram内で使われている。このハッシュタグを通じて、10代の女性と男性たちが知り合っているのだ。
対策として、Instagramは「#ptgf」や「#hkptgf」で検索できなくした。現在、このハッシュタグで検索しても結果が表示されないが、代わりに類似ハッシュタグが山のように表示される。
たとえば、「#ptgf兼職女友」は12万8000件。兼職女友とは、中国語でパートタイムガールフレンドという意味だ。「#ptgf出祖女友」は6万6000件、「#ptgf香港兼職女友」は5万1000件、「#ptgf香港」は11万件、「#援交」は12万8000件などとなっている。Instagramが援助交際の場として10代女性たちに利用されていることが分かるだろう。
投稿されているのは、可愛らしい若い女性の自撮り写真が中心だ。顔をスタンプやモザイクなどで隠しているものもあるが、はっきりと顔がわかるものも多い。身長体重や年齢などをプロフィールとして公開しているものが多く、その多くは10代だ。芸能人やモデルなどの著名人写真を利用しているものもあるが、中には明らかに10代が実際に自分の部屋で撮っているように見えるものもある。
日本の場合、プライベートなコミュニケーションを取るためにLINE IDを公開し、連絡を求めるケースが多い。ところが香港の場合は、中国の人気メッセンジャーアプリ「Wechat(微信)」が使われており、連絡先としてWechat IDを公開しているケースが目立つ。中には米国の人気メッセンジャーアプリ「Whats app」追加を求めるものもある。
連絡先を交換していない場合は、コメント欄には「DM」の文字が並ぶ。「DMします」「DMして」などの意味のようだ。InstagramのDMを通じて連絡先などをやり取りすると考えられる。
一方、同じハッシュタグで投稿されている写真の中には、業者によるものも多いようだ。複数のアカウントで同じ写真や文言を投稿していたり、中には連絡先が同じものも混じっていた。13〜17歳の援助交際バイトをする女性を求めるものもあるし、男性を出会い系サイトなどに誘導しようとしているらしきものもあった。詳しくなければこのようなものに騙されて性被害にあったり、お金を騙し取られることもありそうだ。
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