Facebookは、米国、英国、中南米、中東の利用者を標的に、プラットフォームを利用して政治的話題の世論を誘導しようとしたとして、652件のページ、グループ、アカウントを削除した。
このたびの措置は、7月にセキュリティ企業FireEyeから報告を受けて実施されたもの。報告を受けたFacebookは米国時間8月22日、イランで作成された652件のアカウントを削除したと発表した。
Facebookはさらに、米政府が以前に、ロシア軍と関連があると特定したページ、グループ、アカウントも削除した。件数は非公表。これらは、ロシアやシリアのBashar Hafez al-Assad大統領に有利なプロパガンダを拡散するために同社プラットフォームを利用していた。この活動は、削除されたイランのアカウントとは無関係だという。
Facebookが調査したのは、「Liberty Front Press」という組織の一連のアカウント。この組織は、イラン国営メディア傘下の英語ニュースネットワークであるPress TVと関連があると同社は述べている。
FireEyeによると、これらのアカウントは主に、米国とイランの間の核合意JCPOAなどについて、イランに有利な話題を掲載していたという。
これらのアカウントは、Bernie Sanders米上院議員の支持者であるかのように見せかけて、親パレスチナ・反イスラエルの情報を拡散する活動も展開していた。
Facebookによると、同社が発見した最も古いLiberty Front Pressのアカウントは2013年に作成されたものだったという。合計で、Facebook上に74件のページ、70件のアカウント、3つのグループ、Instagram上に76件のアカウントが見つかった。
Facebook上では15万5000件のフォロワーがいたページや2300件のアカウントが参加していたグループもあったという。またInstagramアカウントは4万8000件のフォロワーがいたという。またFacebookとInstagram上の広告に、米ドルと豪ドルで6000ドルを支払っていた。
Facebookが発見した別のアカウント群は2016年以降に作成されていた。これらは主に報道機関を装い、アカウントの乗っ取りやマルウェアの拡散に従事していた。
3つめのアカウント群は2011年に最初に作成されており、中東政治の話題を主に扱っていた。Facebookによると、同社はそれらのアカウントを2017年8月に発見していたが、2018年の米国中間選挙を前に、選挙に影響を与えようとする活動に対する対策の一環として、2018年7月により詳しく調査した。
このグループのあるFacobookアカウントは約81万3000件、Instagramページの少なくとも1つは1万件を超えるフォロワーを獲得していたという。またFacebookとInstagram上の広告料として、米ドル、トルコリラ、インドルピーで6000ドルを支払っていた。広告は、2012年7月から2018年4月まで展開されていた。
Microsoftも米中間選挙に先駆け、裁判所命令に基づき6件のインターネットドメインを取り押さえたことを明かしている。
またTwitterもイランの関与が疑われる不審なアカウント284件を停止したことを発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」