Facebookの創業の使命が世界を「よりオープンで、よりつながった場所」にすることだったとしたら、Mark Zuckerberg氏はその実現に複数の方法で必死に取り組んでいるように思えた。
「つながった」という言葉は、人々が写真や記事を投稿できるようにすることだけでなく、何よりもまず人々をオンライン(とFacebook)に接続して、それらの全てのコンテンツを閲覧できるようにすることも意味した。Zuckerberg氏はちょうど5年前の2013年8月に公開した10ページのマニフェストで、「私がこれに注力するのは、それがわれわれの世代の最大の課題の1つだと信じているからだ」と述べた。
「Internet.org」の設立(Facebookのコネクティビティプログラム群の発表パーティーと捉えた人も多かった)から5年が経過した今、同社はインターネットにまだアクセスできない世界中のおよそ40億人にインターネットアクセスを提供する取り組みを再編成することを発表した。Facebook米国時間8月10日、別々だった自社のブロードバンドとインフラストラクチャのプロジェクトの全てを、「Facebook Connectivity」と呼ばれる新しい上部組織の下に集約した。
Facebookは無線LANを提供するRuckus Networksの元プレジデントであるDan Rabinovitsj氏をバイスプレジデントとして起用したこと、そして、Rabinovitsj氏が同社に慣れた後でConnectivityを率いることを明らかにした。同氏は、Facebookのエンジニアリングとインフラストラクチャを統括するJay Parikh氏に直属する(現在、Yael Maguire氏がコネクティビティプロジェクト群を率いている。Facebookによると、それらのプロジェクトは既に1億人にインターネットアクセスを提供したという)。
Connectivityグループには、人口が密集した都市部のネットワーク速度向上を目指す「Terragraph」、へき地のインターネットインフラ整備に取り組むオープンソースの「OpenCellular」、より高速なネットワークの構築を目指すワイヤレス業界との共同イニシアチブ「Telecom Infra Project」が含まれる。
Facebookによると、Internet.orgもFacebook Connectivityの下に集約されるという。Internet.orgは、一部のウェブサイトを閲覧できる「Free Basics」を新興国で提供して論争を呼んだ。Internet.orgはFacebookのコネクティビティに対する過去5年間の取り組みの代名詞となっているが、新しいConnectivityブランドは、FacebookがInternet.orgに対する反発から距離を置こうとしていることを示唆するものなのかもしれない。Facebookの新しいConnectivityウェブサイトで、Internet.orgへの言及は1カ所だけだ。
Facebook Connectivityには、インターネットに接続できない人々に上空からWi-Fi電波を提供するFacebookの「高高度プラットフォーム」プロジェクトも含まれる。Facebookは6月、巨大ドローン「Aquila」の開発を中止すると発表したが、パートナー企業と協力してこうした技術に引き続き取り組んでいくとしていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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