Facebookの「Free Basics」サービスがインドで使用停止になった。インド電気通信規制庁(TRAI)が導入した新しい規制に基づく措置だとBBC Newsは現地時間2月8日に報じている。
2014年にInternet.orgの下で提供開始されたFree Basicsは、オンラインアクセスが利用できない、または実質的に存在しない世界の地域に、一部のインターネットサイトやサービスを提供することを目的としたFacebookの取り組みだ。しかしTRAIは2015年12月、この取り組みを非難し、サービス利用規約をさらに詳しく提示できるまでFree Basicsを一時停止するようFacebookに要請した。
問題となっているのは、膨大な数の人々が利用する可能性のあるインターネットアクセスに対して、国外の1企業がどれほどの管理権限を持つべきかという点だ。主な議論は、インターネット上であらゆる種類のコンテンツやサービスに平等なアクセスが提供されなければならないとするネット中立性の基準をFree Basicsが満たしているかどうかという点だ。
Facebookは、提供するコンテンツの種類を決定していることや、一部のウェブサイトを優遇している可能性について批判されている。Free Basicsが企業に対して特定のFacebookサービスを無料提供するよう強要しているとの批判もある。
Save The Internetも、Free Basicsがネット中立性に違反するとして批判しており、Free Basicsへの反対論に対するFacebookの対応は不誠実だと非難している。Free Basicsは、貧しい人々がニュースや健康情報などの有益なオンラインコンテンツに少なくともある程度アクセスできるようにするためのサービスであるとFacebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏は主張している。
Zuckerberg氏は、インターネット全体の無料提供は維持できないと主張している。Zuckerberg氏はThe Times of Indiaに12月に掲載された論説記事の中で、無料で限定されたインターネットサービスを図書館や公立病院の利用になぞらえた。図書館は「すべての書籍をそろえているわけではない」が、「それでも役に立つものを提供している」としている。また公立病院ではすべての治療が受けられるわけではないが「それでも命が救われている」と述べている。
TRAIの規制「Prohibition of Discriminatory Tariffs for Data Services Regulations, 2016」(データサービス規制に対する差別的な料金体系の禁止)は、Facebookだけでなくすべての企業に適用される。この規制は、ユーザーに割り当てられたモバイルデータ通信容量に加算することなく特定のインターネットコンテンツを提供する、いわゆるゼロレーティングサービスにとっては打撃となる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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