シャープ代表取締役会長兼社長の戴正呉氏は8月3日、社内イントラネットを通じて、メッセージを発信。「“Ambition(野心)”を持って、さらなる成長に挑戦しよう」と題し、先頃発表した2018年度第1四半期業績や、「量から質へ」の転換、「“Mission”&“Ambition”」の考え方とそれに伴う組織改革、矢板事業所および八尾事業所の再編などについて触れた。
7月31日に発表した2018年度第1四半期(4~6月)連結業績については、売上高が、2016年度第4四半期以降、6四半期連続で前年同期を上回り、利益も大きく伸長したことを報告。「継続的なコストダウンが着実に成果として表れ、営業利益は前年同期の1.5倍に迫る大幅な増益となった。皆さんの努力に感謝する」とする一方で、「全社では増収増益を達成したが、個別事業単位では改善すべき点がある。アドバンスディスプレイシステムは、流通在庫を勘案し、中国での液晶テレビの販売を抑制したことなどで減収になり、IoTエレクトロデバイスは、成長投資に伴う償却費の増加などを背景に減益になった」とした。
そして「当社は、『量から質へ』をキーワードに、これまでの『量の拡大』から、一定の『量』を維持しつつ、高付加価値モデルやローカルフィットモデルの比率を高める『製品の質の向上』、8KやAIoTを活用して、創意溢れる革新的な商品やサービスを生み出しイノベーションを実現する『事業の質の向上』へと軸足を移し、さらなる成長を目指す。第2四半期以降は、こうした取り組みをより一層強化し、すべての事業において増収増益を実現しよう」と呼びかけた。
また、「今回の説明会では、説明会開始前に会場のマルチディスプレイで、8Kで撮影したタイ国政府観光庁との共同制作プロモーションビデオを再生。さらに、8KやAIoT関連製品の展示、説明を行うなど、決算説明会では前例のない試みを行い、出席者には大変好評だった」と振り返った。
一方で、「PDCAの実践」として、「事業環境が目まぐるしく変化するなかで、2018年度の年間計画の達成をより確かなものにするため、第1四半期の着地を待たず、全社でPDCAサイクルを回している」と前置きし、「6月29日から7月1日、そして7月7日の4日間にわたり、すべての事業本部長や事業部長、その他幹部とともに、各事業本部の第1四半期の業績や取り組み成果の確認を行い、2018年度計画のレビューを実施した。進捗の遅れに対する挽回策を立案するとともに、より高い業績の達成を目指して計画を積み上げるなど、販売拡大戦略を再検討した。加えて、いま一度、経営基本方針を一項目ずつ読み上げ、確実に実践できているか、何が不足しているかを議論するとともに、構造改革の成果と今後の取り組みについても確認した」と述べた。
そして、「立てた計画を“有言実現”するためには、常にその進捗に目を光らせ、環境変化や課題に迅速に対応し、軌道修正していくことが極めて重要である。事業本部、事業部、部といったそれぞれの組織単位でPDCAを確実に実践し、目標達成に向け取り組んでほしい」とした。
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