シャープの子会社であるシャープ・タイ(Sharp Thai=STCL)と、タイ国政府観光庁(Tourism Authority of Thailand=TAT)は、両社の協業により制作した、8Kによる観光プロモーション映像を発表。両者は7月11日、タイのバンコク市内にあるタイ国政府観光庁のホールで会見を行った。
STCLとTATは、4月に8K技術を活用して、タイの美しさを世界に発信する「Amazing Thailand Amazing 8K」プロジェクトで協業することを発表。同月から、タイの旧正月を祝う「ソンクラーン・フェスティバル」の撮影などを開始していた。また、6月にタイを訪問したシャープの代表取締役会長兼社長の戴正呉氏は、TATを訪問。「TATの協力を得て、すばらしいデモビデオを撮影することができた。この実績をタイだけでなく、世界で活用していきたい」と抱負を述べていた。
映像は「8Kで世界を変える」をテーマに制作。世界で初めて、シャープの8Kカムコーダで撮影されており、タイのみならずASEANで初めての8K映像になるという。
会見で、シャープ常務執行役員社長室長の橋本仁宏は、6月にシャープの戴氏が、タイ王国副首相のソムキット・チャトゥシピタック氏と会談したり、TATを訪問したことに触れ、「シャープはタイ王国政府と、親密で長期的な関係を築いている」と前置き。「シャープは、2017年に、事業ビジョン『8KとAIoTで世界を変える』を発表した。1953年に、国産第1号テレビを発売以来、半世紀以上に渡り、最新のテレビ技術を開発し続けてきたシャープは、8K解像度により、あたかも肉眼で見ているかのような圧倒的なリアル感を持った、究極の映像を届けられるようになった。このありのままの美を表現するのにふさわしい国がタイ王国であり、長い歴史のなかで生み出された魅力的な観光資源や文化を、世界中に発信することができる。将来、8K以外にも協力関係を拡大したい」と述べた。
また、シャープ・タイ社長のロバート・ウー氏は、タイへの観光客数が、年々増加傾向にあり、ASEANへの旅行者の27%以上がタイを訪問し、海外観光客に最も選ばれる国であることを指摘。「ソンクラーン・フェスティバルを題材に制作した8K映像は、協力関係の第一歩になる。いくつもの“Amazing 8K”を創出し続けることで、近い将来、パートナーシップはより強固なものになる」とコメント。「8Kは、単に高品位で鮮明な映像を作り出す技術ではなく、放送分野のみならず、医療やセキュリティ、社会インフラなどの分野への展開が期待される技術。タイの中長期的な経済成長戦略『タイランド4.0』に基づく、東部経済回廊構想(チョンブリー、ラヨーン、チャチェンサオのバンコク東部3県を対象に、ハイテク産業の投資促進と交通インフラを重点的に整備する開発構想)にも合致する。ともに世界を変えていきたい」と語った。
会見に出席したTAT総裁のユッタサック・スパソーン氏は、「この協業は、タイ王国の官公庁と、民間企業が共同で取り組む重要なプロジェクトとして、2年間に渡り、タイの観光を促進することになる。タイ各地の観光名所や祭典、伝統行事での喜びにあふれる瞬間や美しい風景を、シャープの8Kカムコーダで撮影しており、これまでにない圧倒的なリアリティに溢れた新次元の映像を通じて、タイ王国の美しさを届けることができる。今後、TATで実施する各地でのPR活動において、AQUOS 8Kシリーズのモニタを通じて見ることができる」とした。
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