シャープ、矢板と八尾事業所再編へ--「2つの大きな事業推進体制の見直し」 - (page 3)

矢板、八尾の国内2工場を再編

 今回のメッセージでは、「組織変更の一環として、2つの大きな事業推進体制の見直しを行う」として、一部報道にあった矢板事業所および八尾事業所の再編についても触れた。

 矢板事業所については、2018年12月末までに、矢板事業所のTVシステム事業関連の社員を、グローバルTVS事業本部の本拠地である堺や、スマートTVS事業本部の本拠地である幕張に集約。「より効率的かつスピーディーな事業運営ができる体制の構築を進める」とした。

 なお、矢板事業所については、引き続き、物流やサービスの拠点として活用するという。

矢板事業所
矢板事業所

 戴会長兼社長は、「1968年に、栃木県矢板市にカラーテレビの生産工場を建設してから半世紀。矢板事業所からは、液晶テレビのAQUOSシリーズをはじめとして、当社の成長を牽引する特長ある商品が数多く生まれてきた。この間、絶えず地元でご支援くださった矢板市、そして栃木県の皆様に、改めて心から感謝を申し上げる」と述べた。

 また、八尾事業所については、約60年間にわたって継続してきた冷蔵庫の生産を、2019年9月までに終息し、今後はタイの生産会社SATLなどの海外生産に切り替えていくとした。

 八尾事業所は、1960年に冷蔵庫の組立工場を竣工して以来、国内生産を続けてきた戦略的拠点でもある。

 「八尾の冷蔵庫工場が耐震問題を抱えていることに加え、冷蔵庫事業の存続にはコスト競争力強化が最重要課題であるとの認識のもと、約2年前から慎重に検討を重ね、今回の苦渋の決断に至った」と説明。「協力会社の皆様をはじめとした数多くの方々に支えられてきた工場を終息せざるを得ないことは誠に遺憾だが、今回の決断によって、日本市場のみならず、グローバル市場でシェアを引き上げ、冷蔵事業のさらなる拡大を実現していきたい。改めて、関係者の皆様の長年の支援に深く感謝する」とした。

 メッセージの最後に戴会長兼社長は、「日本では、まもなくお盆休みを迎える。従来から、シャープは、全従業員がほぼ同時に長期休暇を取得していたが、この制度も見直していく必要があると考えている。国内と海外、営業とスタッフなど、担当する地域や業務に応じて、従来以上に柔軟な休日設定を行い、顧客優先の事業活動を展開することで、事業拡大に繋げていきたい」とし、「早速、今回のお盆休みから、一部事業部門で試験導入したうえで、恒常的な制度化を検討していきたい。これは、決して、休日総数を削減することが狙いではない」とした。

 業績が回復基調にあるシャープだが、今回の社長メッセージでは、社員の意識を改めて引き締めるとともに、次の成長に向けて、体制を大きく変更し、主要拠点の再編を行うことを明確に示した内容になったといえる。

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