まるで、たちの悪い映画の脚本を見ているようだ。
FacebookとTwitterは、世界人口の半数近くのユーザーを集めて以来、ユーザー数の伸び悩みに直面しているが、ここにきて、同プラットフォームを利用した組織的な嫌がらせや悪用といった行為の影響が表れ始めている。ユーザー数が減り続け、株価も急落しているのだ。
先週、決算期を迎えたソーシャルメディアに評価が下った。
始まりは、米国時間7月25日のFacebookによる第2四半期決算の発表だった。欧州のデイリーアクティブユーザー数が、2018年になって2億8200万人から2億7900万人に減少したという内容だ。米国とカナダは、利益の大きい広告市場だが、その2国でもユーザー数の伸びは止まっているという。折しも、Facebookは政治的干渉やデータ悪用を看過したとして、とどまるところを知らないスキャンダルを抱えている。比較的容易に安定した成長が見込めた時代は終わろうとしていることが、明らかになりつつあるのだ。
続く27日には、Twitterも第2四半期決算でユーザー数の減少を明らかにし、前四半期から月間ログイン数が3億3600万人から3億3500万人に減ったと発表した。原因の一部は、「プラットフォームの長期的な健全性」の向上を図っていることにある、というのがTwitterの主張だ。
ソーシャルメディアサイトの健全性と、私たちの生活や政治、文化への影響という厄介な問題を前に、ウォール街も懸念を表明せざるをえなくなったようである。
「セキュリティに大幅な投資を行っているため、収益には大きな影響が生じるだろう。Facebookにとって重大な年になる」。25日の電話会議で、Facebook最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏はこう語った。
そして、このようなプラットフォームに自己管理が求められていることを考えると、この流れは2018年だけでは終わらない可能性がある。
「この(不健全な要素を取り除く)作業は、終わらないことも考えられる。終点はないからだ」。TwitterのCEO、Jack Dorsey氏は、27日にこう話している。
ウォール街でも明らかに混乱が生じている。26日には、Facebookの市場価値が、米国の上場企業としては史上最大となる約1200億ドル(約13兆円)という下げ幅を記録した。翌27日になると、Twitterも決算内容の発表後に株価が17%以上下落したと報じられている。
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