LINEは6月28日、年に1度の大型カンファレンス「LINE CONFERENCE 2018」を開催。同社取締役CSMOの舛田淳氏がLINEのエンタメ領域における新展開を発表した。その中で、夏にLINEアプリ内で遊べるHTML5ゲーム事業「LINE QUICK GAME」を開始することを明らかにした。
LINE QUICK GAMEは、従来のように専用アプリをインストールすることなく、LINEアプリ内で1人または複数人で遊べるゲームサービス。ユーザーは公式アカウント上から簡単・手軽にゲームを楽しめる。また、通常のパズルゲームやシューティングゲームなどのジャンルだけでなく、チャットを活用したゲームなども提供する予定だ。
リリース第1弾では、一世を風靡した携帯型育成ゲーム「たまごっち」を「LINEで発見!! たまごっち」として展開。また世界中のユーザーにプレイされているペンシルパズルゲーム「ナンプレ」を「LINE今日のナンプレ」として提供する。そのほか、LINEユーザーなら誰でも参加できるクイズゲーム「LINE みんなでクイズ」、ネットワークミステリーのチャット型シナリオゲーム「koToro_(コトロ)」など、多彩なジャンルのゲームタイトルを提供する予定だ。
音楽サービス「LINE MUSIC」の楽曲数は約4600万曲で、月間アクティブユーザー数は約970万人、制限なくフルで楽しめる有料プラン(チケット)は5月時点で130万人を超えているという。LINEでは好きな楽曲をプロフィール画面のBGMに設定できるが、この夏から友人とのチャットルームにもBGMを設定できるようになることを発表。また、秋にはプロフィール画面上にミュージックビデオを表示できる機能も提供予定であることを明らかにした。
舛田氏は、従来のCDやダウンロードモデルの音楽の楽しみ方が、ストリーミング中心へと変わることで、今後はよりライブイベントなどの“体験”が重要になると話す。そこで、新たに参入するのがチケット事業だ。同社は2017年9月に新会社「LINE TICKET」を設立していたが、秋から電子チケット事業を開始するという。「不正転売が起きてしまうのはある種、紙のチケットの限界であると言える。健全化するにはeチケットでなければいけない」(舛田氏)。
ユーザーは、LINE TICKETの公式アカウントを友だち登録後に公演を検索して、LINE Payでチケットを購入。そのまま電子チケットとして使用できる。「LINEのIDにすべて紐付いているからこそ、LINE TICKETを提供する意味がある。ただチケットを売買するのではなく、イベントのすべてのプロセスを対象にする」(舛田氏)。当初は音楽ライブから始めるが、その後はスポーツや映画、舞台などにも広げていく予定だという。
7月から分社化する「LINE マンガ」の新展開も発表した。2013年に開始したLINE マンガのユーザー数はこの5年間で2000万人を突破。また、有料コミックのダウンロード数は15億冊を超え、無料連載作品も1800タイトルを超えているという。今後はオリジナル作品のマルチメディア展開も進める予定だ。
同日には、7月2日に設立予定の新会社「LINE Digital Frontier」と、韓国最大手の電子マンガ事業者NAVER WEBTOONとの資本・業務提携を発表した。NAVER WEBTOONが有する開発技術・デザインリソースなどを積極的にLINEマンガに活用する。また、2018年内をめどに、NAVER WEBTOONが国内で展開している無料ウェブマンガサービス「XOY(ジョイ)」をLINEマンガに統合する予定だという。
XOYは、多様なジャンルのオリジナル作品を縦読み形式で楽しめることが特徴で、サービスの月間利用者数は230万人を突破しているという。オリジナル作品は、TVドラマ化された「奇々怪々」や、総閲覧数30億を誇る「外見至上主義」など約130タイトルを揃えており、LINEマンガのオリジナル作品として無料連載で展開するという。さらに、韓国や米国、中国、台湾など、NAVER WEBTOONの海外ネットワークを活用することで、グローバル展開を目指すとしている。
なお、LINE Book Distributionは7月2日より、講談社、小学館、メディアドゥ、LINE Digital Frontierの合弁会社となり、台湾事業「LINE Manga」においてもNAVER WEBTOONとの連携強化を検討していくという。
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