LINEは6月28日、年に一度の大規模カンファレンス「LINE CONFERENCE 2018」を開催した。同日には複数の新サービスとともに、LINEが向かう今後の方向性などが示された。
カンファレンスでは、LINE PayをはじめとしたFinTechの取り組みについて紹介。LINE Payは、グローバルで月間流通総額が約1300億円を突破。送金件数は2017年と比べて2.8倍、決済額は2.5倍、QRコード決済は11倍まで増えているという。また、金融サービスを手がけるLINE Financialを設立し、テーマ型投資サービスを展開するFOLIOとの提携(2018年下半期にサービス提供予定)、野村證券との証券サービスの提供、損保ジャパン日本興亜との損害保険サービス(2018年度中に提供予定)を発表している。
イベントに登壇したLINE Pay COOの長福久弘氏は、「Payment Revolution」を掲げ、マーチャント、ユーザー双方に革命を起こすと宣言。革命には、ユーザーが使える店舗を増やす必要があるとし、JCBが提供するタッチ決済サービス「QUIC Pay+」と連携すると発表。全国72万カ所のQUIC Pay+対応店舗でLINE Payが利用できるようになる。同社では、2017年度中でのモバイル決済対応店舗100万カ所を目指すとしており、LINE Pay決済、QRコード決済に加えて、タッチ決済に対応することで、さまざまな支払いニーズに対応するとしている。
また、LINE Payは、注力する分野として中小企業(SMB)領域を挙げる。長福氏は、「SMBと呼ばれる中小、個人店舗がキャッシュレス化しない限り、本当のキャッシュレスは実現しない」とし、初期費用なしにキャッシュレス化できるよう、決済専用のスマートフォンアプリを提供。オーナーのスマートフォンにダウンロードするだけで、QRコード決済が可能になるという。アプリにはメッセージ機能も付いており、ショップから販促メッセージなども送信可能。
さらに、店舗側の決済手数料を0%(3年間限定)にすることでキャッシュレス導入に関する負担を下げるとしている。このほか、LINEではSMBをさらに支援すべく、freeeとの提携を発表した。
LINE Payでは、これまでユーザーのインセンティブ施策として決済額の2%をポイントとして還元していたが、6月より新たなインセンティブプログラムとして「マイカラー」を展開。利用額に応じて、4つのカラーにユーザーを分類。色に応じて、ポイント付与の割合が0〜2%で変動する。
今回、QRコード決済の利用を推し進めるべく、8月からポイントを3%上乗せ(1年間限定)する。マイカラーのポイントと合わせて、最大5%のポイントが還元されるという。また、マイカラー展開後のユーザーからのフィードバックを反映し、10万円の金額条件を完全撤廃した。
そのほか、日々のお金の出入りや資産を一元管理する「LINE家計簿」を2018年秋ごろにリリースすると発表。LINE Payだけでなくクレジットカード、ECサイトなどと連携し、LINE上で資産管理ができる。これにより、投資、決済、家計簿管理と、お金に関するサービスがシームレスに連携できるとしている。
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