LINEは6月28日、年に1度の大型カンファレンス「LINE CONFERENCE 2018」において、7インチのディスプレイを搭載したスマートスピーカ「Clova Desk」を2018年冬に発売することを発表した。ホワイトとブラックの2色展開で、カメラやIRリモコン機能を備える。なお、アマゾンジャパンもディスプレイ搭載型のスマートスピーカ「Amazon Echo Spot」を7月に発売することを発表したばかりだ。
LINE取締役CSMOの舛田淳氏は、「ボイスは早いが情報量には限界がある。アウトプットは音声ではなくちゃんと画面で見たいというニーズは間違いなく存在する。Clova Deskはその課題を解決する」とディスプレイ搭載型のメリットを強調。LINEによるビデオ通話や料理のレシピ、天気情報などのほか、“ホームサイネージ”として従来のポストイットや家族への書き置きの代わりに使ってほしいとしている。
ちょうど1年前のLINE CONFERENCEで、同社はAIアシスタント「Clova」を発表。その後、2017年10月に初代スマートスピーカ「Clova WAVE」、同年12月にLINEキャラクターデザインの「Clova Friends」、2018年6月に小型の「Clova Friends mini」を発売した。具体的な販売台数は明かさなかったが、ガジェット好きの男性などよりも女性や年配、若年層などに利用されており、「LINEらしいユーザー傾向」(舛田氏)だという。
舛田氏は、同社がスマートスピーカにおいて重視している要素として、(1)音声認識、(2)キャラクター、(3)スキルの3つを挙げ、それぞれの進捗状況や新展開を紹介した。まず1つ目の音声認識については、0.1%上げるだけでも苦労する音声認識精度を94%から95%(プラス1%)に上げたほか、呼びかけに対する反応速度を1秒以上縮めたという。
2つ目のキャラクターについては、6月に「ドラえもん」とコラボしたClova Friends miniを数量限定で発売したが、秋には「ミニオンズ」とコラボしたスマートスピーカを発売することを発表。さらに、ディープラーニング技術を用いたDNN-TTSにより、従来の10分の1となる4時間分の音声データでその人物の音声を生成できる技術を開発。実装はまだ先としながらも、これにより声優やアイドル、家族や恋人の声を設定できるようにするという。同日には、舛田氏が”自分の声”と会話するデモが披露され、場内を沸かせた。
3つ目のスキルでは、開発者向けにClovaのスキルプラットフォームを7月にオープン化することを発表。スキルを開発・拡張できる「Clova Extension Kit」や、ユーザーが自由にスキルを選んで使える「スキルマーケット」を公開する予定だという。初期パートナーとして、アイスタイルやエキサイト、CBCラジオ、東急電鉄など34社が順次スキルを提供するとしている。
また、家電を操作できる「Clova Home」の対応家電も拡大する。新たにQrioやシャープ、東芝映像ソリューション、パナソニックなどの連携が決まっているとのこと。さらに、Clova Friendsシリーズ向けにIR Dockを夏に発売予定。これを装着することで、Clova WAVEと同じく赤外線リモコン機能が使えるようになるとしている。
同日には、Clovaとクルマを連携させた「Clova Auto」も発表された。2017年にパートナーシップを結んだトヨタ自動車が今冬より順次発売予定のSmart Device Link対応車で、Clovaの音声アシスタントによるLINE送受信や音声通話などが可能になるという。
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