LINEは6月28日、年に一度の大規模カンファレンス「LINE CONFERENCE 2018」を開催した。LINE CONFERENCEでは、複数の新サービスとともに、LINEが向かう今後の方向性などを発表する。
イベント冒頭、同社代表取締役社長の出澤剛氏は、ブロックチェーン技術を使ったトークンエコノミー構想「LINEトークンエコノミー」について発表した。同氏は、「ブロックチェーン技術の中で代表的なのは仮想通貨だが、それだけでなくシェアリングや信用管理、契約管理などでも便利になる」とし、「トークンエコノミーはさまざまなものに大きな影響を与える」と述べた。
また、これまでの“購入して消費する”貨幣経済から、インターネットによるフリーミアムモデルの登場を経て、ブログやソーシャルメディアといったユーザー自身が積極的にコンテンツを生み出すことでサービスに貢献する機会が増えたと説明。しかし、「ユーザー貢献に対して、適切な報酬を還元する仕組みが十分にできていない。サービスの成長と貢献者への還元をリンクできるようなトークンエコノミーを構築することができれば、新しい大きな価値を生み出すことができる」と、トークンエコノミーを構築する意義を語った。
トークンエコノミーでは、LINEブロックチェーン上にDApps(分散型アプリケーション)を提供し、LINEが独自発行するトークンを使用する。ゲーム、シェアリング、エンターテインメント、メディア、コマースなどを軸に、トークンエコノミーと相性の良いCGM(Consumer Generated Media:ユーザー参加型コンテンツ)サービスとの連携を考えているという。出澤氏は、「適切に設計されたトークンエコノミーでサービスが成長する。世界中で同様な動きが起きつつある」とした。
なお、出澤氏は、ブロックチェーンを使った日常的なサービスは世の中に登場していないと説明。同社では、ブロックチェーン開発組織として、トークンエコノミーを設計するunblockと、DApps(分散型アプリケーション)などの設計・LINEでの実装を手がけるLINE Blockchain Labを設立。また、韓国のブロックチェーンプラットフォーム「ICON」と提携しており、ブロックチェーンへの取り組みを加速させるという。
また、構築するブロックチェーンプラットフォームはLINE内だけでなく、さまざまな外部サービスと提携したいとしている。
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