「ルンバ」が家族の一員になるまで--CEOが紆余曲折の歩みを語る - (page 4)

Colin Barker (ZDNet UK) 翻訳校正: 川村インターナショナル2018年06月27日 07時30分

 そこで、2人に1万ドルの予算を渡し、パーツを買ってきて、どんなものを作れるか見てみることにしました。

 2人が持ってきたものを見て面白そうだと思い、予算を増やしてそのまま研究を進めました。iRobotの設立から12年、2002年にルンバを発売しました。

 売れるかどうか、まったく予測できませんでした。在庫も増やす必要があるので、取締役会と渡り合わなければならない。何度もやりとりしてようやくOKをもらい、1万5000台を製造する許可を得ました。

 1万5000台と、もう少し作りましたが、発売から3カ月で7万台売れました。それが、iRobotの転換点です。非常にアカデミックな分野で成功を収めた企業から、実際に新しい産業を生み出す道を見つけようとする企業へと変わりました。

 最初のルンバを売り出してから16年もたっていて、累積2000万台も売れたなんて、とても信じられません。当社の掃除機は、今や掃除機の総売上の20%を占めています。この1年で、米国では初めて掃除機の売り上げが減少しましたが、ロボット掃除機の売り上げは逆に15%も増えました。

 予想もしていなかったことですが、(iRobotの設立から)28年たった今、これが現実です。

——ルンバはすぐ人気が出たのですか。

Angle氏:はい。ありとあらゆる失敗も経験しました。忘れもしない、ルンバを売り出した最初の日のことです。ウェブサイトで500台売れたところで、Hasbroの友人に電話をかけました。「Steve、ロボット掃除機が500台売れたんだけど、これっていいほう?」と聞くと、「相当いいじゃないか。で、その500台をどうやって出荷するか分かってるのか?」と言うのです。そこで、プリンタがあるから、ラベルを印刷して送り先を手で書くよ、リストもあるし、と答えました。しばらく間があってから、友人はこう言いました。「今すぐウェブサイトを閉じたほうがいいぞ。何も分かってないみたいだから」

 実際、そうすることになりました。送り状を手書きするだけで、週のほとんどがつぶれたからです。

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