それはReutersに掲載されたインタビュー記事から始まった。その中で、ロボット掃除機「Roomba(ルンバ)」で知られるiRobotの最高経営責任者(CEO)Colin Angle氏は、iRobotが顧客の自宅のマッピングデータを販売する意向だという明確な印象を与えた。
Angle氏とiRobotは、セキュリティ上の懸念を問う米ZDNetの取材に対し、文書で回答を寄せた。
Angle氏は、「まず、iRobotがユーザーのデータを販売することは決してない」と表明した。「われわれの使命は、ユーザーが自宅をより清潔な状態に維持できるように支援し、ゆくゆくは、スマートホームとその中の端末群がより効果的に連携できるように支援していくことである」(Angle氏)
Reutersの記事は、iRobotがデータの販売に関して交渉中であるとほのめかしているようにもとれる。これに関しては、Reutersの記者による誤解があったとAngle氏は述べた。
「これは誤解だった。iRobotが顧客のマップやデータを他社へ販売することを検討しているなどと、決して話していない。iRobotが他の企業とデータの取引に関する話をしたことは一度もない。また、顧客データを販売することもない」(Angle氏)
また、カメラが撮影した写真や画像などのデータの保存方法に関して、Angle氏に説明を求めた。
「ルンバ900シリーズ」のロボット掃除機は、カメラを用いた「vSLAM」技術を通してマッピングおよびナビゲーション情報を記録し、データを本体に保存する。Angle氏は「Wi-Fi機能を備える全ての『ルンバ』は、使用データをクラウドに送信することが可能で、顧客はモバイル端末上でそれを確認することができる」と説明した。使用データとは、掃除にかかった時間、動いた距離、エラーコードの有無、適切に機能しているかどうかなどの情報で、「ナビゲーションに使われる画像はクラウドに送信されない」と同氏は述べた。
「ユーザーが自分のマップデータをモバイル端末上で閲覧できるようにすることに同意した場合、ルンバが掃除中に作成するマップはクラウドに送信され、そこで処理される。このマップはクラウドで簡略化されてユーザーフレンドリーなものになり、最終的に『iRobot HOME』アプリに表示される」(Angle氏)
Angle氏は、カメラが物体を認識する方法は人間とは異なることも強調した。ロボットは自らの周囲の環境を視野内の明るい点と暗い点のパターンとして認識するという。このパターンを利用して、ルンバ900シリーズはマップ上で自らの位置を特定または確認し、自宅内の床全体を掃除することができる。同氏の説明によれば、ルンバ900シリーズに搭載されたカメラは低解像度のカメラで、テーブルの縁や壁に設置された窓の明暗のコントラストなど、部屋内の複数の点をトラッキングする。ルンバはこれらの点に基づいて、絶えず自宅の室内マップを作り、アップデートを行うという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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