Appleの「iOS 12」と、Googleの「Android P」が出そろった。
AppleとGoogleの本社は、どちらもシリコンバレーの中心にあり、互いに15kmほどしか離れていないが、その企業哲学は遠くかけ離れている。
Googleの「Android」OSはオープン性を重視しており(それが断片化を招くことにもなる)、Appleの「iOS」では緊密なシステムの連携が重視されている(そのためAppleデバイスの比較的狭いエコシステムの範囲でしか使えないサービスが多い)。
どちらのOSも次期バージョンが発表されたので、両者の最新機能を並べて比較できるようになった。とはいえ、AppleもGoogleも、目玉の機能は実際の製品発表まで隠しておく傾向があるので、間違ってもこれが最終的な評価というわけではない。
iOS 12を搭載するiPhoneは9月に、Android Pを搭載するAndroid端末は9月か10月に登場する見込みだ。
ノッチにしてもスワイプジェスチャにしても、「iPhone X」が最初に採用したわけではないが、普及のきっかけにはなった(ちなみに、ノッチは「Essential Phone」が、ジェスチャは2009年の「Palm Pre」が「WebOS」で、それぞれ最初に導入している)。
Android端末のメーカー各社は、すでに実験的に独自路線を歩んでいるものの、Googleは、Android Pでノッチとナビゲーションジェスチャを正式に採用した。Googleが正式にサポートする以上、ノッチもジェスチャも搭載された端末が登場する可能性は高い。
だが、Android Pは、ジェスチャに完全対応しているわけではない。依然として「戻る」ボタンも使うので、ジェスチャ動作はiPhone Xより未完成な印象だ。Android端末のメーカー各社は、それぞれの特色を出そうとする傾向があるため、Androidのジェスチャとノッチは、今後のiPhoneほど統一されたものにはならないと予想される。その証拠に、Android Pのノッチの位置はディスプレイの上部中央や、コーナー部分、上部と下部の両方など、複数のオプションをサポートする。
iOS 12における「Siri」のアップグレードでは、ユーザーの要望を予測することが主眼になっている。「Shortcuts」という新しいアプリでプロファイルを設定すると、一定のキーワードを口にしただけで一連の機能が実行される仕組みだ。例えば、「Headed home(帰宅する)」と言えば、家族にテキストメッセージを送信し、好きなラジオ局の放送を流して、一番渋滞の少ないルートのナビゲーションを開始することができる。
Googleアシスタントもこうした一連のアクションを実行するルーティンをサポートしているので(Amazonの「Alexa」も同様)、AppleのデバイスはShortcutsでそれに一歩近づくことになる。だが、AppleがGoogleアシスタントとの差を縮める対策としては、十分とは言えない。
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