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低所得でもクルマを持てる--貸倒率1%以下の“モビリティFinTech”を生み出したGMS - (page 3)

藤井涼 (編集部) 日沼諭史2018年06月10日 08時00分
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金融機関のネットワークとパートナー作りが鍵

——日本ではどのようなビジネスモデルで展開しているのでしょうか。

 日本は、新車が毎年500万台販売されています。そんな中、年間190万人の方のローンが通っていないとも言われています。新卒社員やパートタイマーとして働いている方、高齢者、あるいは起業家などが多いようで、そういう人たちは190万人のうち150万人くらいいるんですね。

 または、若いときにスマートフォンの月額料金を延滞したせいで、与信情報に傷が付き、その後クルマを購入しようとローンを申し込んでも審査が通らない、なんてこともたびたび起きています。それでも年間新車販売台数500万台という実績を積み上げてきたのが日本です。つまり、ローン審査のハードルを下げればもっと売れる。でも下げてこなかったのが現状なんですね。

 そこで当社の仕組みを使うとどうなるか。フィリピンですでに1%以下というデフォルト率です。日本ならもっと低くなるのではないでしょうか。ということで、今はファイナンス会社やメーカーとの提携を模索しています。すでにスタートしているのが、山口県の西京銀行とのマイカーローン「乗れMAX」です。そのほか、ハウスドゥの子会社であるフィナンシャルドゥとのオートローンに関わる業務提携など、いろいろなところと話し合いを進めています。

 私たちのソリューションはカーシェアリングサービスにも使えます。大学生でカーシェアを使いたい人もいると思いますが、クレジットカードがないと使えません。クレジットカードを持っていない大学生も多いですから、私たちのソリューションでプリペイド型のサービスにすれば、そういう人たちも使えるようになりますよね。


——今後の国内外における事業の方向性や展望を教えてください。

 日本国内では、いま申し上げたようなファイナンス会社とのネットワーク作りを進めていきます。貸したい人は借りてくれず、借りたい人には貸せない、という不均衡の解決に向けて、昨今は金融機関が積極的に取り組もうとしています。その解決のためには金融機関に「貸せる理由となる武器」が必要なんですね。私たちにはそのベースとなる仕組みがありますので、金融機関にとってゼロリスクにできるソリューションを開発していきます。

 新興国については、各国で一定の融資高を準備できる金融パートナーとの提携、これがマストです。できれば1行だけじゃなくて、各国ごとに2、3行見つけたい。なぜなら、お客様が少しでも安い金利で借りられるようになるからです。1行だと金利の高い安いが判断できませんが、2行以上あれば比較できます。自分に合った金融機関を選べるようにするのは、このシステムを浸透させていくのに絶対に必要なプロセスだと思うんです。これができれば普及スピードがかなり上がるだろうなと考えています。

——話は変わりますが、ゼロスポーツを離れた後、2年で再びGMSを立ち上げました。大きな挫折を味わいながら、シリアルアントレプレナー(連続起業家)としてありつづける、そのモチベーションの源泉は。

 投資していただくなど、これまでお世話になった人に対して、実績で報いたいというのが大きいですね。投資というのは会社に対するものですけど、言い方を変えると社長に対して出資しているようなものだと思うんです。「私が出資したのは間違いじゃなかった」と、どんな出資者にもそう思ってほしい。自分がまだ半人前だったときに出資という形で育てていただいた人への恩は忘れません。自分が成功したいというより、そういう人たちに喜んでもらいたい気持ちの方が強いですね。それが起業のモチベーションになっているんだと思います。

——4月には通過率が2.5%と言われる世界最大の起業家支援ネットワーク「エンデバー」のアントレプレナーとしても選出されました。

 おかげさまで、日本人としては6例目のアントレプレナーとして認めていただけました。エンデバーは理念もしっかりしていますし、各国のそうそうたるメンバーがメンターとして、その人の大事な時間を無償で提供して、起業家育成に力を惜しまず取り組んでいる。私もそういうことをずっとやりたかったんです。自分自身、どの起業家よりも苦労してきたという自負があるので、自分が成功した暁には社会にお金を使いたいと思っています。

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