人工知能(AI)は、顧客について知見を得るうえで重要な要素だが、適切なデータを利用しなければ効果的に機能しない。
特に、5月25日に施行された欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)の観点から、企業は新たなマーケティング手法を導入するにあたって課題に直面している。
カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くAIマーケティング企業Blueshiftが、企業におけるAI利用の現状と今後の計画に関する詳細な報告書を発表した。
Blueshiftは2018年2月、SurveyMonkey傘下のTechValidateと共同で、BtoC企業約200社を対象にAIとアクセス、および顧客データの利用について調査を実施した。
調査では、さまざまな業界で使用されているAI手法の種類、顧客データに関連して企業が直面した課題、AI導入の主要な障害を確認する狙いがあった。この調査で、64%のブランドが今後12カ月以内に自社のAI使用を拡大したいと考えていることが分かった。
企業は、使うべき「適切なデータ」は、自社の顧客から同意と信用を得た上で収集したファーストパーティーのデータだと考えるに至っている。パッケージ化され再販されるサードパーティーデータとは異なるものだ。
こうしたデータは通常、顧客との取引の中で得られる。他社による販売や利用がない限り、企業が自分のデータを使用してもよいと明確に同意した顧客だ。
また、43%がオーディエンスベースの拡大、28%が製品のおすすめ、26%がキャンペーンのためにAIの利用を開始していることも明らかになった。ほとんどのブランドは近い将来、AIの利用が拡大すると予想している。
しかし、高度なAIと予測機能を最大限に活用していると報告したブランドはわずかだった。
ほぼ全ての回答者(92%)は、3つの要素(分析、アクセス、統合)の1つ、または複数が顧客データのより効果的に利用する上で大きな課題になっていると述べた。
過半数の回答者(54%)は分析が最大の課題だと考えており、アクセス(46%)と統合(41%)がこれに続いた。
それでも、より多くの顧客データをアクティベートし、リアルタイムのデータを使って頻繁に顧客をセグメント化することは収益パフォーマンスに大きな影響を与えるとされている。
75%以上の顧客データを利用する企業は、75%以下の顧客データしか利用しない企業に比べて、売上高目標を達成できる可能性が1.4倍になることも分かった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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