Facebookは5月18日、Facebook日本語版のサービス開始10周年を記念して、記者会見を開いた。会見では、個人情報の流失問題について、Facebook Japan代表取締役の長谷川晋氏から説明があり、長谷川氏は冒頭において「さまざまな方にご迷惑、ご心配をお掛けした」と謝罪した。
Facebookの問題について、簡単におさらいしよう。2013年にイギリスの研究者が開発した性格診断アプリは、個人のデータを収集するものだった。2015年、このデータがFacebookのポリシーに反する形で外部に不正利用されたと報道された。Facebookはこの時点で、データが提供された全ての関係者に対し、データの完全削除を求め、証明する書類も受領していたという。しかしながら2018年3月、データが完全削除されずに不正利用されたことが報道され、問題となっている。
長谷川氏によると、Facebookはこの問題を、個人情報を不正に利用したとされるデータ分析企業Cambridge Analyticaや1アプリの問題ではなく、Facebook自身がユーザーのデータをどのように扱い、Facebookというプラットフォームをどのようにユーザーに安心・安全に使っていただくかを、より大きな問題に捉えているという。
長谷川氏は、Facebookでは問題発覚後、プラットフォームの不正利用を防ぐため、さまざまな不正対策を進めていると述べた。アプリの利用実態調査や未使用アプリケーションのアクセス無効化、ログインデータの制限などのほか、脆弱性の発見・報告者への報奨金プログラムの設定などの対策を試みているという。また、アプリに提供された情報の履歴を消去する機能も、数カ月以内に実装するとしている。
Facebook公式ページを廃止した伊東屋のような、利用者離れや広告主とのエンゲージの変化があるのでは、という問いに対し、長谷川氏は「日本のユーザーや広告主に対しての影響は、もう少し注視するべきだ」と語った。ごく少数の広告主から今後の展開についての相談は受けているというが、「Facebookではユーザーに安全・安心に使ってもらえることが最優先で、中長期的なユーザー目線での対策を進める」(長谷川氏)とした。また、Facebookは、3月にパートナーカテゴリの廃止を発表している。これについて長谷川氏は、広告主がFacebook以外で収集したデータも使用して広告を配信するという形態が、ユーザーの視点でベストなのかを判断し、決定に至ったと解説した。
会見ではこのほか、Facebook バイスプレジデント グロースを務めるハヴィエ・オリヴァン氏による10年間の振り返りとともに、スポーツチャンネル「DAZN」と提携したサッカーのライブ配信の決定が発表された。オリヴァン氏は、「世界に対し我々のサービスを展開していく」と意気込みを語るとともに、広告市場の大きさやInstagramの成長など、日本市場の発展へも期待を寄せた。
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