外国為替取引サイトのForex Bonusesが2017年に発表した調査報告書によると、世界で最もキャッシュレス化が進んでいる国はカナダだという。カナダ人は平均で1人あたり2枚以上のクレジットカードを所有している。2位はスウェーデンで、スウェーデン国立銀行によると、店舗での取引に現金が使われる割合はわずか20%だという。
米国でのモバイル決済の普及は、それよりもはるかに遅い。これまでのところ、ほとんどの米国人、特に旧世代は現金とカードから離れる必要性を見いだしていない。451 Researchのアナリスト、Jordan McKee氏は、現在米国において店舗での取引にモバイル決済が占める割合は1%以下でしかないと述べた。
IDCのアナリストのJames Wester氏によると、現金を使い続ける消費者と企業には、利点と問題点の両方があるという。
利点から紹介しよう。アプリをダウンロードして、自分の情報を共有する必要がない。そして、現金はほぼ確実に受け入れてもらえる決済方法である。さらに、店舗側は取引手数料を避けることができる。
問題点は何だろうか。現金はどこかに保管する必要がある。そして、現金を使ってしまったら、追加の現金を手に入れなければならない。取引の金額が大きくなればなるほど、現金の利便性は低下する。新車を購入して、大量の札束を取り出すところを想像してほしい。
Wester氏は、「銀行取引明細書に記載されることを必ずしも望まないような、秘密にしておきたい取引の形態がある限り、現金は存続するだろう」と話す。ただし、仮想通貨のBitcoinも現金と同様、プライバシー面の利点を提供する。
それに、たとえキャッシュレスに移行したとしても、ホットドッグの売店や街角の市場の全てがキャッシュレスの考え方に賛同してくれるわけではない。
Anstettさんも2017年の年末、Miami Dolphinsの試合会場で、駐車場が現金しか受け付けなかったため、友人から現金を借りなければならなかった。
Anstettさんは時々、現金を持たないと決めたせいで、食料品店の外で行われている有意義な活動に寄付できなくなったことを実感する。Anstettさんは寄付を募る人々に、「申し訳ないが、現金を持っていない」と告げて、歩き続ける。
だが、その障壁も下がり始めている。Anstettさんが以前、ガールスカウト団員たちが並んでいた机に向かって現金を持っていないことを告げたとき、7才か8才くらいの少女がVisaとMastercardも使えると言った。
「『本当に?それじゃ払うよ』と思わず言ってしまったね」(Anstettさん)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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