Appleは3月27日にシカゴのLane Tech Collage High Schoolで開催したイベント「Let’s take a field trip」で、9.7インチiPadを刷新した。329ドル(国内では3万7800円から)の価格ながらも、これまでiPad Pro向けの機能だったApple Pencilをサポートした。
教育イベントでの発表は、教室内で、あるいは課題をこなす小学生から高校生までの生徒たちが、より直感的にアイデアをまとめる「文房具」としてのタブレットのイメージを確立したいという狙いも透ける。
しかしiPad(第6世代)は、教育市場を超えて寄り広く支持を集めることになるだろう。その反応速度と使いやすさに定評があるApple Pencilに対応したiPadがほぼ半額で手に入れられるようになったからだ。
iPad(第6世代)は、2017年3月に発表されたiPad(第5世代)と全く同じデザインを採用している。すなわち、2013年10月に発表されたiPad Airを踏襲している。
高さ240mm×幅169.5mm×厚さ7.5mmのデバイスで重さは469g。オリジナルのiPadと比べて同じ程度の重さながら、ベゼルがやや小さくなり、薄型化されている。しかし10.5インチのiPad Proと比べるとベゼルは広い印象を受ける。
これに9.7インチの高精細Retinaディスプレイとステレオスピーカを搭載し、ホームボタンには指紋認証のTouch IDが内蔵される。レビュー機はセルラー版だったが、最新のiPad Airに採用された細いラインのアンテナではなく、背面上部を幅広いプラスティック部品で覆う点も、iPad Airと同様だ。
これまでと異なる点は、ゴールドの色味だ。iPad(第6世代)のゴールドは、少し赤みがかった色が採用されており、ややシックな印象も与えている。
本体下部にはLightningコネクタの回りにはステレオスピーカを備えているが、iPad Proに内蔵されていた本体上部のスピーカーは省かれている。そのため、iPadを横長に構えてビデオを楽しむ際には、片方からしか音が聞こえない違和感が残る。
iPad(第6世代)の最大の特徴は、最も安い3万7800円という価格で販売されるモデル(32Gバイト/Wi-Fi)がApple Pencilに対応した点だ。
Apple Pencilに対応するiPad Proの最も安いモデルは10.5インチの32GバイトのWi-Fiモデルで6万9800円の価格が設定されており、これに1万800円のApple Pencilを買い足さなければならなかった。iPad(第6世代)は、Apple Pencil対応のiPadがほぼ半額に値下げされ、さらに教育市場向けでは米国で299ドル、日本では3万5800円で購入できる。
スマートフォンは携帯電話会社の販売方式や、画面サイズやカメラなどの発展もあって、2年程度の買い換えサイクルが確立されてきた。しかしそうした進化がなかったタブレットは販売が低迷してきた。しかも、実際iPadを使っていると、5年前のモデルであっても性能が陳腐化せず、丈夫で壊れにくかったことから、買い換える理由を見つけ出せなかった。
Apple PencilはiPadを新たに購入するユーザーに対しても、既存ユーザーに対しても、価格とApple Pencil対応の2点で強い訴求力を持っている製品と言える。
iPad Proに採用された可変リフレッシュレートで最大120Hzを実現するディスプレイProMotionは省かれたが、Apple Pencilのレート240Hzは共通であり、遅延がわずかで快適な描画を実現している。
また感圧や傾きの検出もiPad Pro同様に利用できる。Appleは、より速い反応速度を求めるクリエイティブプロ以外のあらゆる人にとって、十分満足できるペン入力体験が可能だと説明している。
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