Microsoftは以前から、データプライバシーは裁判所でなく米議会が対処する必要のある問題だと主張している。
Microsoftは、その望みに一歩近づいたようだ。というのも米国時間3月21日、包括的歳出法案にCLOUD(Clarifying Lawful Overseas Use of Data:データの海外における合法的使用の明確化)Actが追加されたからだ。
CLOUD Actは、法執行機関が国境を越えてデータにアクセスできる方法を規定する法的枠組みを作るものだ。米議会の与野党議員や米司法省のほか、Microsoft、Apple、Google、Facebookを含む多くのテクノロジ企業が同法を支持している。
米最高裁判所は2月末、Microsoftがデータプライバシーをめぐって米政府との間で繰り広げている法廷闘争でヒアリングを実施した。参加者らの話として報じられたところによると、判事らは、海外に保管されているデータは検察当局がアクセスできるものであってはならないというMicrosoftの主張に気持ちが動かされたようには見えなかったという。裁判の判決は6月末に予定されているが、CLOUD Actがこの問題を骨抜きにしてしまえば判決は出ない可能性もある。
Microsoftのプレジデント兼最高法務責任者(CLO)であるBrad Smith氏は予想通り、議会がデータプライバシーの問題に対処することについて楽観的な見方を示しており、それはこの問題について書かれた同氏のブログ記事からも見て取れる。
しかし、誰もが同意しているわけではない。電子フロンティア財団(EFF)はCLOUD Actについて、「警察が国境を越えてデータをかぎ回れるようにする危険な拡大措置」との見解を示している。米国自由人権協会(ACLU)は、CLOUD Actが「米国外では活動家、ここ米国内では個人に脅威をもたらす」ものだと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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