データ分析企業Cambridge Analyticaが、膨大な数に上るFacebookプロフィールからの個人情報を、ユーザーの同意を得ることなく取得していたという。The New York Times(NYT)のほか、英紙ObserverとGuardianが週末にかけて報じた。
2016年の米大統領選でDonald Trump陣営が利用していたCambridge Analyticaは選挙期間中、その情報を利用し、有権者をターゲットとする手法を構築することができたという。
Facebookの文書、そしてNYTやThe Observer、The Guardianに話をした元従業員らによると、5000万件を超えるFacebookプロフィールが影響を受け、その活動に100万ドルが投じられたという。
Guardianによると、Cambridge Analyticaに勤めていたデータサイエンティストのChristopher Wylie氏はObserverに対し、「Facebookを利用し、膨大な数の人々のプロフィールを収集した。そして、それらの人々に関して得た情報を利用し、その心理的な弱さに訴えるようなモデルを構築した」と述べたという。
この報道の前日、Facebookは、Cambridge Analyticaによるユーザーデータの扱いに誤った部分があったとして、同社のアカウントを停止した。Facebookによると、心理学者用の調査ツールとされていたアプリがまず情報を収集し、その中にユーザーの情報、友達、「いいね」をしたコンテンツなどのデータが含まれていたという。同アプリは、ユーザーに対してパーソナリティ診断を行うとするものだった。ユーザーは同アプリに自分の情報を共有することに同意したが、NYTによると、その情報を第三者に共有することに同意したユーザーはわずかだったという。
Facebookは2015年に、データがCambridge Analyticaなどの企業に渡っていたことを把握し、それらの企業に情報の破棄を要請した。Facebookのバイスプレジデントで次席法務顧問のPaul Grewal氏は、Facebookはデータが破棄されていなかったとの報告を調査しており、Cambridge Analyticaのアカウントを停止していると述べた。
Grewal氏は17日の声明で、「あらゆる手段を講じて問題のデータが完全に削除されているかどうかを確認するとともに、規則に反するすべての関係者らに対して措置を講じるつもりだ」と述べた。
Cambridge Analyticaはツイートで、「Facebookのサービス規約を完全に遵守」しており、Facebookのプロフィールからの「データを一切保有または使用」していないと述べている。また同社のウェブサイト上の声明へのリンクも掲載し、その中で、データは削除済みであり、Cambridge Analyticaは本件についてFacebookと連絡を取っていると述べている。
米CNETは現在、ホワイトハウスにコメントを求めているが回答は得られていない。
"Cambridge Analytica used surveys and a number of other tactics to exploit the loophole in the Facebook API that allowed them to extract data from the social network," @DanPatterson said CBSN. https://t.co/218zPalXGu pic.twitter.com/WEbp2DZ2lO
— CBS News (@CBSNews) 2018年3月17日
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス