スマートフォンネイティブが見ている世界

インスタやTwitterの「#裏垢」が危険な理由

 Instagramが流行したおかげで、若者の間に「自撮り」が広く浸透している。特に10代の女子の間では、自撮りはごく当たり前のこととして日常的に行われている。日々の記録として、SNSに投稿するネタの一つとして、「自撮りをしない日はない」と言っていた高校生もいる。

 SNSでは、顔を出した写真は一般的に人気が高い傾向にある。中でも若い女性の顔写真は人気が高く、多くの反応を集められる。惜しみない「いいね」がもらえ、「可愛い」「きれい」と賞賛されるため、外見に自信がありもっと認められたいと思う10代女子の多くが自撮り写真を投稿する。

 「#自撮り」「#自撮り女子」などのハッシュタグをつけた自撮り写真を見たことがある人は多いだろう。実は、関連ハッシュタグを見ていくうちに、危険なハッシュタグが表示されることをご存知だろうか。今回はハッシュタグに潜む危険についてご紹介したい。

同じハッシュタグがTwitterに移ると…


Instagramの「#自撮り女子」

 Instagramでハッシュタグ「#自撮り女子」を検索すると、Instagramっぽい、いわゆるキラキラ女子の自撮り写真が多数表示される。ところが、このハッシュタグはInstagramだけで使われているわけではない。

 現在、10代がコミュニケーションに使っている主なSNSは、LINE、Twitter、Instagramだ。どのSNSでもハッシュタグ検索ができ、LINEは「#自撮り」「#自撮り女子」ともにInstagram的な自撮り写真が並ぶ。

 問題なのはTwitterだ。他のSNSとは異なり、認められたい10代女子の自撮り写真だけでなく、露出が多い写真が並ぶ。「#自撮り晒すとフォロワー増えるって聞いたんですが」「#らぶりつください」などの、のんきなハッシュタグを付けている10代女子の自撮り写真と、出会い系目的の露出の多い写真が並んでいる様は異様だ。

 スマホだと「関連した検索」欄で他のユーザーが検索しているキーワードが表示されるが、筆者が検索したときには「#裏垢女子」「#裏垢男子と繋がりたい」などが表示された。

 「#出会い系」「#出会い厨」「#裏垢」「#裏垢女子」「#裏垢男子」「#裏垢男子と繋がりたい」「#病み垢」「#病み垢さんと繋がりたい」「#リスカ」「#OD(オーバードーズ)」などのハッシュタグを付けた、出会い系とメンヘラ系の投稿ばかりになってしまうのだ。

「裏垢」を探して出会い系に迷い込む


Twitterで「#自撮り女子」を検索したところ

 Twitterでは10代の子たちは、クラスの友達などに公開する「本垢(垢=アカウント)」、趣味の情報を収集する「趣味垢」、親しい人たちに向けて本音を言う「裏垢」、ネガティブな愚痴などを言う「闇垢」などを使い分けている子が多い。

 「クラスの子の裏垢探してたら(出会い系アカウントばかり表示されて)びっくりした」とある女子高生が言っていた。「裏垢」は彼女たちに馴染みの言葉なので、「MARI@裏垢」など、ニックネームに裏垢とつけてアカウントを区別している子もいる。裏垢を探して素の姿を見たいと思った子が、検索して出会い系に迷い込む事態が起きてしまうのだ。

 特に「#裏垢」「#裏垢女子」「#裏垢男子」「#裏アカ男子とつながりたい」などのハッシュタグは、出会い系ハッシュタグとして一部で知られているようだ。

 自撮りをInstagramで公開している子が同じハッシュタグでTwitterに投稿し、出会い目的のユーザーにからまれたという例もあると聞く。

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